《ブラジル》産院の子供取り違えが2年後発覚「ショックで世界が崩壊した」
北東部アラゴアス州の病院で、2022年に生まれた双子の兄弟の1人と、別の新生児が取り違えられていた事実が2年経ってから発覚した。双子の両親は、息子が二卵性だと考えていたが、彼らが2歳になった頃に、別の市に住む子どもが自分の息子にそっくりだと気づいた。調査の結果、3人の男児は同じ病院の新生児集中治療室に入院していた時期が重なっており、DNA検査で取り違えが確認された。母親2人がグローボ局の取材に応え、「ショックで私の世界が崩壊した」と複雑な思いを語ったと15日付G1が報じた。 同州サンセバスチアン市のデボラさんとスエルソンさん夫妻は、双子の誕生で生活が大きく変わった。デボラさんは妊娠8カ月目に高血圧を発症し、隣接するアラピラカ市の大病院に転送された。 双子のギリェルメくんとガブリエルくんは2022年2月21日に早産で生まれたが、未熟児だったために新生児集中治療室に数日間入院。病院はCOVID―19対策のため面会を制限しており、デボラさんは授乳も毎日は行けず、小児科医からの電話で息子たちの様子を報告されていた。 3週間後の3月12日に退院したが、デボラさんは医師からの明確な確認がなく、息子たちは二卵性双生児だと思い込んでいたという。 時が経ち、息子たちが2歳になった頃、デボラさんの友人がたまたま見つけたSNS動画を見て、そこに映る男児が自分の息子に瓜二つであることに驚いた。その子は、近隣のクライーバス市に住む、マリアさんの息子ベルナルドくんだった。 デボラさんは「彼が保育園でお祈りしている動画を見て、思わず泣いてしまった。『この男の子はガブリエルだと思うでしょう?本当にそっくり』と驚きをSNSに投稿した」と振り返った。 一方、マリアさんも同じ病院で、双子の誕生から3日遅れでベルナルドくんを出産した。早産ではなかったものの未熟児だったので入院が必要だった。ベルナルドくんは3月28日に退院し、その後2歳で保育園に通い始めた。2人の母親はSNSを通して連絡を取り合い、後見カウンセラーの助けを借りて面会することとなった。 デボラさんはマリアさんの家を訪れ、ベルナルドくんと対面。その後、3人の男児が同時期に新生児集中治療室に入院していたことが判明し、両母親はDNA検査を受けることに同意。ベルナルドくんのDNAはデボラさんとスエルソンさん夫妻のものと一致し、ガブリエルくんの一卵性の兄弟であることが確認された。一方で、ギリェルメくんのDNAはマリアさんのものと一致した。 デボラさんは「これまでの数カ月はまさに、私の世界が崩れたような気分でした」と述べた。 警察による捜査が開始され、事実解明が進められている。出産を担当した産婦人科医に対して訴訟が起こされ、デボラさんの弁護士によると、妊婦健診の段階で双子が一卵性であることは既に示唆されていたが、その情報は母親に伝えられなかったという。 デボラさんの家族は、法的手段を通じてベルナルドくんを取り戻すことを望んでいる。また、ギリェルメくんは重篤な健康問題を抱えているため、彼を引き続き養育することも希望している。 一方、マリアさんは、ベルナルドくんとの親子関係を維持したいと考えている。彼女の公的弁護人は、母親が取り違えられた子どもを育て続けるべきだとの立場を示しており、最終的な法的決定を待つことになっている。両家は15日ごとに子どもたちを交互に訪問する形で、親子関係を築いている。