小澤征爾さん悼む音色 松本のフェスティバルで感謝の会
長野県松本市で開催中の国際音楽祭セイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)の総監督で、2月に88歳で死去した小澤征爾さんを悼む「小澤征爾総監督感謝の会―その生涯を祝福して―」が17日、水汲のキッセイ文化ホールで開かれた。サイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)による小澤さんゆかりの曲の演奏や、小澤さんの同音楽祭での様子、県内や海外で若者に音楽を教える真剣な様子などをまとめた映像を上映。音楽に情熱を傾けた小澤さんの生涯をたたえた。 元NHKアナウンサーの有働由美子さんが司会を務めた。首席客演指揮者の沖澤のどかさんのタクトに合わせ、SKOの弦楽器奏者約60人とOMFオペラに出演する歌手12人がモーツァルトの賛美歌「アベ・ベルム・コルプス」を歌い奏でた。続いて、指揮台には誰も立たず、恩師の齋藤秀雄さんから小澤さんが指導を受けた思い出の曲・モーツァルトの「ディベルティメント」などをSKOが演奏した。 SKO代表で小澤さんの長女・小澤征良さんが「SKOが演奏していると父がいることを感じる」と涙ぐみながら語り「今日の会を一番感謝しているのは父だと思う」とボランティアや松本市民、県民に感謝した。 最後に会場を埋めた県民ら1750人が小澤さんに向けて大きな拍手を送った。安曇野市の看護師は「小澤さんが残してくれたSKOを聞くことができて良かった」と語っていた。
市民タイムス