海外メディアは大坂なおみの全豪OP連覇“失敗”をどう報じたか…マッケンロー氏は今後を危惧「トップに戻るのは長い道のり」
その上で、「シード外の米国選手アニシモバに敗れた後、大坂はインスタグラムとツイッターを彼女の携帯電話から削除した。『おそらく数週間は再ダウンロードすることはない』と語った。だが、メンタルヘルスの問題の解決を優先するために、昨年の全仏オープンを棄権し、ウィンブルドンを欠場し、さらに数カ月を休養することで大坂の根本で何らかの変化が起きていた」と続け、「彼女が好きではない記者会見に15分間にわたって1人で着席し、タイトル防衛の戦いを終えた試合のことと、今後の新たなチャレンジについて心広く少しも動じずに語っていた」と、試合後の記者会見の様子の“変化”を紹介した。 同紙はさらに深く斬りこみ「24歳の大坂は幸せにあふれ、彼女の好むハードコートで迎える最初のグランドスラム大会は、これまで居座ったトップ5に戻るきっかけとなるだろうとの印象が持たれていた。結果は、そうはならなかったが、彼女は『ランキングについてはあまり気にしていない。瞑想し、日記を付けることでより目標へ対処し続けることができている』と語った」などと大坂のメンタルの安定度について記した。 一方で豪シドニーモーニングヘラルド紙は勝者のアニシモバに焦点を当てた。 「アニシモバが劣勢を跳ね返す勝利で大坂を驚かす」との見出しを取り、「若手の米国選手のアニシモバが金曜日の夜、非常に面白い3セットマッチの末に前年覇者の大坂を退け、全豪オープンに番狂わせを起こした」と伝えた。 記事は「大坂は第1セットでは安定した状態で準備ができていたが、第2セットの第4ゲームでアニシモバがサービスブレークで勢いづくと流れは徐々に失われた」と試合をレポート。「第3セットに突入するときには大坂は合計ポイント数で66-65とわずかなリードで、この試合がいかに互角かをさらに示す証拠となっていた」と続けた。 欧州のスポーツ専門チャンネル「ユーロスポーツ」は、“悪童”ジョン・マッケンロー氏とグランドスラム大会で通算7勝を挙げたスウェーデンの“レジェンド”マッツ・ビランデル氏の番組内での対談を引用して大坂の3回戦敗退を分析した。 見出しには「大坂がグランドスラム大会を再び勝つところを見られるかどうか…私は確信が持てない」とのビランデル氏の刺激的なコメントが使われ、「マッケンロー氏とビランデル氏の両者は『彼女がトップに戻るには長い道のりとなるだろう』と語った」と報じた。 マッケンロー氏は「彼女はある意味で大変難しい立場に自らを置いている。メンタルヘルスの問題を提起したことは素晴らしかったが、そのことで彼女への注目が集まってしまっている」という現状を危惧。さらに「我々は、彼女が(アニシモバとの試合で)マッチポイントを逃したことにどのように対処するのか。3回戦という早い敗退をどのように捉えるのか。また次の全仏オープンの前に多くの大会でプレーするのか。ウィンブルドンには出場するのか、といった、さらなる問題について議論していくことになる。今後、彼女には、より多くの注目が集まるようになり、彼女は、それに対応する準備をしなければならないだろう」と続けた。 今後は世界ランキングは80位以下にまで落ちる見込みでシード権を失うなど厳しい戦いが待ち受けることになる。 ビランデル氏は「グランドスラムを再び制する偉大なる大坂なおみをまた見ることができるのかどうか…私は確信が持てない。彼女にとっては厳しいものになるだろう。かつての大坂が戻ってくることに期待するべきではないと思うし彼女は前を向いていく必要がある」という厳しい意見を投げかけた。