【雨宮塔子アナ(53)】自己主張しないと生きていけないパリでの子育て「子どものことでは立ち向かいました」|STORY
月に2回は学校から呼び出し やんちゃな長男に対しては干渉を手放す勇気で
「今回の帰国は娘と一緒の夏休みを兼ねて。彼女が外国人インフルエンサーの間で話題のお店をピックアップしてくれて、安くて美味しい海鮮丼や町中華に行ったのですが、どこも大正解!若い人の視点で東京を再発見したようですごく新鮮でした」 とはいえ、長男の子育てはなかなかハードでした。彼はどのコミュニティにいても仲間の中心にいて“肩で風を切って歩く”タイプ。親にとっては可愛いのですが、先生方にとっては少しはみ出しがちなアウトロータイプです。マイペースでもあるので学校にしょっちゅう遅刻するのです。そんなこともあって、以前は私も月に2回は学校に呼び出され、注意を受けることに。子どものためを思って入学を決めた私立の進学校の校風にハマらなかったみたいで、結局公立に転校することになりました。かなりハラハラしましたが、公立が肌に合っていたのか、のびのびと自力で彼なりの社会を作っていったので結果オーライ。そんな紆余曲折で学んだのが、親は見守るのが仕事だということ。子ども自身のバイタリティーを信じてある程度のことは目をつぶり、心配や干渉を手放すのが大切なのだと気づきました。 一方で娘は小学校からずっと一緒の仲間に支えられて国外の大学への留学を決めたりして。子どもの性格によって環境作りや親としての心構え、対応も違ってくるのだなと知りました。 長男が大学生になって私の生活にも大きな変化が。高校までは「エコールディレクト」と言うアプリがあって、成績から細々した連絡まで、そのアプリで全部分かるようになっているのです。それは便利な反面、四六時中気になってしまって結構なストレスに(笑)。大学入学とともに、そのアプリから解放されたので逐一気にするストレスからは解放されました。でも大学生活のことは本人任せになっているのでドロップアウトしてしまう可能性もあります。それはそれで怖いけれど、手放すのも親としてひとつの勇気。 元夫(世界的パティスリー「SADAHARU AOKI」のオーナーパティシエ・青木定治氏)からもさんざん「あなたが心配や干渉しすぎると息子が潰れる」と言われているので、息子を信じ、息子の考えを尊重するしかないと思っています(笑)。 撮影/浜村菜月(LOVABLE )メイク/古屋明子(アーツ)ヘア/道下大 取材/柏崎恵理