新「侍ジャパン」が世界に挑む シンプルでスピーディな新競技「Baseball5」が面白い
スピーディな攻撃と美技連発の守備力
実際に競技を見ると、このスポーツの魅力が分かるだろう。打撃や守備など野球の面白さがありつつ、得点や攻守交替がスピーディで飽きる暇がない。 また、投手がいない代わりに「ミッドフィールダー」というポジションが、守備で大きな役割を占める。打者に一番近いミッドフィールダーは、素早い反応で打球を処理し、時にライナーキャッチの超美技を披露する。 野球では外野手だが、ジャンク5でミッドフィールダーを務めた三上駿の守備は秀逸だった。数々のライナーキャッチを見せた守備力は世界レベル。また、狭い塁間をあっという間にホームへ駆ける三上の俊足は、ジャンク5の大きな武器だった。 2022ワールドカップで世界を体験した三上は、敗れたキューバとの差は「特に打球の速さ」と言い、そのレベルで戦うために努力してきた。日本選手権では大会MVPを獲得し、侍ジャパンにも続けて選出。今や日本を代表する選手になっている。
「侍ジャパン」がアジアカップで優勝 アジアチャンピオンとしてW杯へ
2024年4月、第2回アジアカップに向けて選ばれた全日本代表は、正式に「侍ジャパン」の名称を冠し、世界で戦うチームとなった。 4月にソウルで行われたアジアカップでは準決勝で主催国の韓国、決勝ではチャイニーズ・タイペイに逆転勝利。前回アジアカップで敗れたリベンジを果たし、アジア初優勝を成し遂げた。攻守に活躍した六角彩子(5STARS)が最優秀女子選手として表彰された。 三位以内に入賞した国は、2024年10月に行われる第2回ワールドカップへの出場権を獲得している。 8月9日付世界ランキングで、日本は5位。上位にはチャイニーズ・タイペイ、キューバ、チュニジア、フランスと、野球やソフトボールとは違った国々が名を連ねる。諸外国の中では、装備も設備も野球ほど必要ないだけに、国際的な進出を狙える競技として積極的に取り組んでいる国もある。勢力図はどんどん書き換わるだろう。 その中でも「日本がBaseball5で一番強い国になる」と選手たちは強い決意で世界に挑む。