「もはや隠れて生きない」…あの夜に何が?LGBTQ運動の象徴「ストーンウォールの反乱」当事者が語る
■再びLGBTQへの反対運動が起きても「団結してより強くなる」
しかし、アメリカでは最近保守派が強い地域では、トランスジェンダーの医学的治療を禁じるなどの「反LGBTQ法」の成立が急増。性的マイノリティーの権利を制限する動きが広がりつつあります。 マーク・シーガルさん(73) 「今起きている反対運動は、初めて起きたものではありません。これまでも、反LGBTの歌手やキリスト教団体による反対運動がありました。レーガン政権やブッシュ政権の時にも同性婚への反対運動はありましたし、軍の入隊に反対する動きもありました。全米で議論されている(反LGBT)法案のほとんどは、反トランスジェンダーなどの考えに基づくものです。私たちが、ゲイ男性やレズビアン女性をすでに正常化できたのが理由だと思います。しかし残念ながら、トランスジェンダーへの理解が社会では進んでいません。トランスジェンダーへの注目を高めるには私のようなLGBTQを公表している当事者が力になることが重要です。どの時代にも反対運動はあるのです。反対運動が起きた時大事なのは、私たちはさらに強くなり戻ってくることです。新たな反対運動がおきていますが我々は団結してより強くなるでしょう」 マークさんは今年11月に行われる大統領選挙の行方が気がかりだと話します。 マーク・シーガルさん(73) 「トランプ前大統領は、同性婚を取り上げようとしています。あなたに夫や妻がいれば、その関係が危険にさらされています。連邦最高裁判所には同性婚を無効にしたいと公言している判事が2人いるのです。トランプ氏の支持者は国内で少数派で、共和党でも一部の存在です。トランプ氏が支持を集めるのは彼が人種差別主義者であり、同性愛を嫌う代弁者だからです。そういう人々は私たちを嫌っていますが、多数派ではありません。トランプ氏は、1950年代のアメリカとそこから変わらないことを望む人のために戦う人間なのです。今年は興味深い年になるでしょう。確かに私は心配はしています。どうなるかわかりませんが、希望は持たなければなりません。アメリカ国民の知性と心を信用しています。信用できなければ諦めることになります。私は諦めるつもりはありません。必要とあれば、あの戦いをもう一度やりぬく準備はできています。抗議デモをする覚悟も、逮捕される覚悟もできています」
■「日本を含む世界の政府がLGBTQの人権を支持すべき」
インタビューの最後に、日本について聞いてみました。 マーク・シーガルさん(73) 「アジアの他の国で起きたような動きが日本にも訪れることになると思います。アジアでは、特に台湾のゲイプライド活動は婚姻の平等に大きな役割を果たしました。その結果、台湾で婚姻の平等が法制化されたのです。現在、アジアのほぼ全ての国でゲイプライドを求め抗議活動が起きてます。日本を含む、世界の政府がLGBTQの権利を含む基本的人権を支持するべきです。政府も仲間になるべきなのです」