入社10年目の32歳で年収「420万円」です。同年代の平均に比べて低いほうでしょうか?
労働者の賃金や年収についての話題はしばしばニュースで取り上げられます。報道される平均年収と、今の自分の年収を比較したことがある人も少なくないでしょう。 今回は30代前半で年収420万円の労働者のケースですが、同年代の平均と比較すると、この金額は高い可能性があります。ただし労働条件によっては平均的な額になるかもしれません。 本記事では、30代前半の平均的な賃金をご紹介するとともに、年収を上げる方法も解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
30代前半の平均年収は約343万円
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」によると、30~34歳の男女の賃金状況は表1の通りです。 表1
出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」を基に筆者作成 男女平均では、30代前半の労働者が受け取る平均額は28万6000円でした。仮に同金額を1年間稼いだ場合、単純計算すると年収は343万2000円です。 今回のケースでは32歳で420万円を稼いでいるため、比較すると、同年代の平均より稼いでいるといえます。 しかし上記の平均賃金は「所定内給与額(時間外手当を除いた金額)」をまとめたものです。超過労働給与やボーナスなどは含まれていません。仮に年に2回40万円ずつボーナスを受け取り、かつ時間外労働の給与が発生すれば、前述の平均額は420万円を超えるでしょう。
平均賃金は諸要件によって異なる
上記の平均賃金額は、学歴や企業規模など、諸要件によって異なります。例えば同調査によると、学歴別の賃金概況は表2の通りです。 表2
出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」を基に筆者作成 学歴が高いほど平均賃金額も上がっています。 また企業規模別に30~34歳の男女平均賃金額を見ると、以下のような結果でした。 ●大企業:30万7300円 ●中企業:27万7600円 ●小企業:26万9000円 企業規模の大きさと平均賃金額が比例しています。 年収「420万円」が同年代と比べて低いかどうかは、このように比較対象によっても左右されるでしょう。