【大学野球】一橋大の2浪エースが投手とDHの両方でベストナイン 「大谷ルール」活用で4部5冠に輝く…東都表彰式
東都大学野球連盟の秋季リーグ戦個人タイトル表彰式が8日、東京・有明のTOC有明コンベンションホールで行われた。一橋大の4部優勝の原動力になった二刀流、エース右腕の泉川詩人(しど)投手(3年=千葉)は最高殊勲選手、最優秀投手、最優秀防御率に加え、投手とDHでベストナインを受賞。「5冠」に輝いた。 4部リーグとはいえ、前代未聞の受賞なのは間違いない。泉川は今秋、投手としては8試合に登板し、7勝無敗。52イニングを投げて失点3(自責1)の防御率0・17とフル稼働した。同連盟では昨春から導入された「大谷ルール」を活用し、登板のない場合は「2番・DH」でバットでも躍動。50メートル走6秒1の俊足を生かし、打率2割7分3厘、2本塁打、8打点、9盗塁と暴れた。受賞の喜びをこう語った。 「投手は自信があったが、DHまで取れるとは思っていなかった。びっくりしたのが本音です」 千葉県内屈指の名門進学校・千葉では「4番・投手」。「本当は六大で野球やりたくて。東大で野球やりたかったんですけど、ちょっと学力的に厳しくて」。2浪の末に入学した一橋大で才能が開花。体重8キロ増でパワーアップに成功。球速も8キロ増の最速143キロと進化し、持ち味の制球力で勝てる投手に成長した。 そんな泉川をもってしても、3部昇格の壁は厚く、入れ替え戦では順大に連敗。「レベルの高さを感じたというか、チームとしての強さをすごく感じました」とラストイヤーの3部昇格に燃える。 一橋大野球部の魅力とは、何だろうか。 「明るさですかね。明るく、楽しく、元気よくっていうのを1年間、モットーでやっていて。負けていても勝っていても、いい意味で空気が変わらない。いつも、行け行け押せ押せ。(他校は)野球推薦の選手が多い中で、みんな勉強して入ってきて、そこからっていう。そこからの下克上を目指して普段練習しているので。チャレンジャー精神です」 4部からの下克上。戦国東都の若武者は、多様性にあふれている。(加藤 弘士)
報知新聞社