PASMOは携帯にいれるのとカードを持つのではどう違う? 節約になるのはどっち?
交通系ICカードは、JR東日本のSuicaが2001年に誕生したことを皮切りに、その利便性の高さで、現在では広く普及しています。 SuicaやPASMOを始めとしたICカードは、現物のカードでの利用に加え、携帯に入れて使うモバイル利用も可能であり、その利便性に広がりを見せています。 この記事では、交通系ICカードの普及状況や地域ごとの利用者数について解説します。交通系ICカードのモバイル利用のメリット・デメリットについても解説するため、ぜひ参考にしてください。
交通系ICカードの利用状況
2022年に国土交通省が行った調査によると、鉄道やバスなどの移動サービスを使用する際の支払い方法で、「交通系ICカード」を特に利用していると回答した人は、鉄道で72.3%、バスで70.7%という結果でした。 鉄道とバスの両方で、7割を超える人が交通系ICカードを利用しており、交通系ICカードが全国的に広く普及していることが分かります。残りの3割の支払い方法は、現金での切符購入やクレジットカードでの支払い、インターネットでの購入などに分散しています。
地域ごとで人気のICカードは?
ICカードは、地域により利用シェアが異なるのが特徴です。「パーク24株式会社」が行った調査を基に、地域ごとに最も利用者数が多いICカードを表1にまとめました。
※パーク24株式会社「ICカードの所有と駐車場利用についてのアンケート調査」を基に筆者が作成 調査によると、北海道・四国・九州・沖縄では、流通系ICカードとしても有名な「WAON」の利用者が最も多い結果となっています。 関東と甲信越、東北地方では、JR東日本のICカードである「Suica」の利用者数が最も多く、関西ではJR西日本のICカードである「ICOCA」の利用者数が最も多くなっています。その地域に根差したサービスのICカードの利用者が多くなる傾向にあるようです。
パスモはモバイルかカードのどちらがよいのか
パスモ(PASMO)は、株式会社パスモが提供するICカードです。先ほど紹介した地域ごとのICカード利用者数では、どの地域でも1位ではありませんでしたが、2021年には流通4000万枚を突破しており、全国的に人気があるようです。 パスモは他の多くのICカードと同じように、携帯に入れて使うモバイルでの利用が可能です。カードで使う場合とモバイルでの利用は、どちらがお得なのか気になる人もいるかもしれませんが、料金の面で違いはありません。 日本大学法学部の樋口喜久乃氏が、2022年に10代以上の男女229名を対象に行った調査によると、交通系ICカードの使用者のモバイル型使用率は37.8%という結果でした。 現状では交通系ICカードは、カードで使用する人が多いことが分かります。モバイル型のメリットについての質問には、「チャージが容易である」「ICカードを持ち歩く必要が無い」「残高照会が容易である」の回答が特に多い結果となっています。 反対にデメリットについての質問には、「スマホの充電が切れてしまった」の回答が最も多い結果でした。モバイル型のICカードは、チャージが容易で残高照会がしやすい利便性の高さが特徴ですが、スマホの充電が切れた場合や通信障害を起こしたときに使えなくなるデメリットも指摘されています。