技術的に不可能と言われた「仮想空間上に宇宙を作る」事業が実現できた理由
起業家こそ知的好奇心を追究できる
──知的好奇心が旺盛で、様々な技術の最先端を追っているというのは、研究者でないのが不思議なほどです。なぜ起業家の道を選んだのでしょうか? 【佐藤】私の知的好奇心の源は「世界がどうなっているのかを理解したい」というものです。そして、どうなっているのか理解できたものは作ることもできるはずだ、とも考えています。だから、世界を作ることに興味があるんです。 研究者は研究する場が限定されますが、起業家なら社会の中でいくらでも、ビジネスという体裁を取って「実験」ができ、世界についての理解を深められます。研究のための費用も自分で獲得できますし、ビジネスだからこそ会える色々な人との接点を作ることもできます。制約を受けずに自由に知的好奇心を追究するのに、これほど適した職業はありません。 スペースデータでは、知的好奇心を極限までドライブさせ、誰にも真似できないレベルまで技術を尖らせたら、売り込みをしなくても、世界中の人たちから声がかかり、事業化することができました。前職では、売上向上や会社の規模拡大のための施策に走り、技術を突き詰めるのを途中でやめたところがあり、反省しています。 ビジネスを成功させる一番の近道は、とことん技術を深掘りすること。これに尽きるのではないかと、今は思っています。
佐藤航陽([株]スペースデータ代表取締役社長)