阪神ドラ1・伊原、同期・森下に「負けないように」 育成含む今秋ドラフト指名9選手が施設見学
阪神が今秋ドラフト会議で指名した9選手(育成を含む)が、甲子園室内練習場などを施設見学に訪れた。ドラフト1位・伊原(NTT西日本)は、初めて訪れた甲子園歴史館で、チームメートになる同学年の森下の展示品を見て闘志をかき立てられた。 「やっぱり凄くみんな活躍していますし、僕の同学年も凄い選手がいた。年でいえば森下も同期なので。もちろんプロで経験しているものは違いますけど、そこは同学年に負けないようにしたい」 館内では先月開催されたプレミア12の展示がスタート。全9試合に侍ジャパンの4番で出場した森下のユニホームやフットガードも並んでいた。高校野球関連では、根尾昂(現中日)らとともに3度の甲子園優勝を果たした大阪桐蔭時代の藤原恭大(現ロッテ)のバットも飾られていた。同じ00年度生まれの選手の活躍の証を、伊原は食い入るように見つめ、きょう9日の新入団発表会見を前に、気持ちを新たにした。 室内練習場ではトレーニング指導を受けるなど、今回が初めての顔合わせとなった同期入団9選手が、全員で体を動かした。 「この同期入団の選手も、みんな一生懸命、切磋琢磨(せっさたくま)できたら良いなと。もちろん同期と仲良くして、同期みんな(1軍の試合に)出て頑張れたら」 尼崎市に来年3月開業予定の2軍新本拠地「ゼロカーボンベースボールパーク」も見学した最速149キロの即戦力左腕は、最新の設備に「これでうまくならないはずがない」と感激。聖地で森下に負けない活躍ぶりを見せる。 (杉原 瑠夏) ≪ドラ2≫ドラフト2位の今朝丸(報徳学園)が、仲野伸洋トレーナーから「才木2世」と評された。午前中に甲子園の室内練習場で新人のウオーミングアップを担当し、動きや体格をチェックした同トレーナーは「(入団当時の)才木を思い浮かべさせられるような体つき」と話した。2軍新本拠地「ゼロカーボンベースボールパーク」にも足を運んだ最速151キロ右腕は「こんなに凄い施設を自分の目で見て、早く行きたいと思った」と心待ちにした。 ≪ドラ3≫ドラフト3位・木下(KMGホールディングス)が、ルーキーのまとめ役に名乗りを上げた。来年1月に24歳。「年齢が上の方なので、引っ張っていかないといけない」と年長者の自覚を口にした。 「きのう(7日)初めてみんなで集まった。めちゃくちゃおもしろい人ばかりです」 ともにプロの第一歩を踏み出す8人との“合体”を心から喜んだ。だが、彼らもユニホームに袖を通した瞬間、ライバルに変わる。投手に限っても同期入団は他に4人。来春開業の「ゼロカーボンベースボールパーク」の新施設もフル活用し、一日も早く1軍への切符をつかみたい。 「まだ1カ月は仕事をするんですけど、1月の新人合同自主トレへ向けて、しっかり体をつくっていきたい」 年の瀬の28日までは社業にも励む。「自分だけ社長に許可を頂いて、午前に仕事、午後にジムなどで練習をさせてもらっている」。聖地での快投が、会社への最高の恩返しになる。 ≪ドラ4≫ドラフト4位の町田(BC埼玉)が、“新人1号”を放った。大型スクリーンに甲子園球場が完全再現され、場内で打撃や投球をしている疑似体験ができるバーチャルバッティングセンターに挑戦して、下手投げの右投手から本塁打。1メートル88、86キロの大型捕手は豪快なスイングで飛距離150メートルを計測し「感触はショートゴロだったんですけど…(笑い)。左中間ぐらいですかね。めちゃくちゃ楽しかった」と声を弾ませた。 ≪育成ドラ1≫育成ドラフト1位の工藤泰成(四国徳島)が超人ボディーを披露した。薄手の練習着にムキムキの輪郭が浮かび上がる。広背筋と大胸筋の盛り上がりは圧巻で、公称1メートル77、82キロのサイズ以上のインパクトがあった。 「シーズンオフということで、トレーニングの量を増やした」 食事にもこだわってきた。得意料理は「鶏胸ブロッコリー」。脂肪分の少ない鶏胸肉と野菜を合わせ、味付けは「塩をかけるくらい」と、体づくりに励んだ。仲野伸洋トレーナーからは「いつでもスタートできる状態」と高評価を得た。 ファーム施設見学後に「もっと野球に打ち込める」と目を輝かせた右腕は、この1年で球速が6キロ伸びて最速159キロ。伸びしろは計り知れない。 ▼嶋村(育成2位)選手のみんなと顔を合わせたのが初めてだった。早く一緒に体を動かしたいなというふうに思って凄く充実した一日になった。 ▼早川(育成3位)僕は甲子園に全く縁がなかったというか、行く機会がなかった。(甲子園歴史館などを見学し)歴史とかも初めて触れて、改めて凄い場所でできると実感した。 ▼川崎(育成4位)野球人生で、こんな良い環境(施設)でやったことはないので。どれだけやれるかが大事。成長できるんじゃないかと。