【鈴木ゆうか】non-noモデルを卒業!10年間の思いを語るラストインタビュー
憧れだった『non‐no』の専属モデルになるも自信はなく……
『non‐no』の初撮影は、「どうしてこんな大事な日に!?」と今でも不思議でならないけれど、寝坊しちゃって少し遅刻したんです。現場でメイクしていただけることも知らなくて、「こうしたら『non‐no』っぽいかな?」なんて、試行錯誤しながら仕上げてスタジオ入り。そしたら到着してすぐにヘア&メイクさんにメイクを落とされてしまって(笑)。“ノーメイクで行く”という当たり前のことすら知らなかったし、遅刻して気後れしている上、大人がたくさんいる状況にも慣れず。とにかく緊張しっぱなしだったから、初登場ページの写真を見返すと、すごく顔がこわばっているのが分かる(笑)。 そういえば、『non‐no』モデルになって、やっと憧れで大好きな美玲さんに会えると思ったら、入れ違いで卒業されてしまったんです! 電車に乗っている時にその報告をマネージャーさんから受け、泣いたのを覚えています……。 『non‐no』の撮影では、先輩モデルさんと一緒になることも多くて、私のひどい人見知りの性格を早く治さなくちゃと、焦ることも多かった。初めは撮影に行くのがちょっぴり憂鬱になるくらい人見知りしてしまって。でも数か月もすると、同期で加入した(高田)里穂ちゃんや久慈(暁子)ちゃんと少しずつ仲よくなって、ごはんにも行くように。そうしたら、撮影に行くのが楽しみになったんだ。先輩モデルの(新木)優子ちゃんと撮影が一緒になった時には、朝からたくさん話しかけてくださって。撮影帰りにお買い物に連れていってもらったことも! うれしかったなぁ。あとは、撮影現場で自分から話しかけることは難しくても、みんながスタジオで輪になって座っていたら、自分もそこに入ってみるとか。小さなことからちょっとずつクリアしていったよ。とはいえ、モデルとしての自信はまったく持てなくて。専属モデルになってから2年目くらいまで、「私が『non‐no』にいていいのかな?」と思うこともあった。でも、もともとポジティブなほうではあるから、深く悩みすぎることはなかったかも。それに寝たら翌日には忘れちゃうタイプなのもあって、素晴らしい先輩方がいる『non‐no』のなかでも、焦らず自分のペースで歩んでこられたんだと思う。 ポージングに関しては、最初の頃は全然できなくて、自分を見せるので精いっぱい。だから、お洋服のどこをどう見せたら素敵なのかとか、このテイストだからこんなポージングというところまで考えが及ばず。表情も、笑う時は目をぱっちり開けてにっこり。ワンパターンの笑顔ばかりだったし、お澄まし顔を覚えたら、もうそればっかりという状態(笑)。本田翼さんや優子ちゃんのような、自然で大きな笑顔に憧れながらも、なかなかできなくてもどかしかった。だから、優子ちゃんと一緒の撮影では、大きな動きのポージングを勉強させてもらっていたし、(鈴木)友菜さんがカメラの前に立つ時は、自分の撮影が終わった後も現場に残って見学させていただいた。そうやって先輩方のモデルとしての姿を生で拝見し学ばせていただきながら、表情のバリエーションやポージングを少しずつ増やしていきました。3年目くらいには、「こういう感じどうですか?」って、言葉では言えないタイプなので、カメラマンさんがカメラを構える前に、ポージングして待ってみたり(笑)。徐々に求められていることをできるようになる感覚があって楽しかった。 ちょっとずつ自信がついてきた頃。異動してきた“はじめまして”の編集さんに、別の雑誌のモデルさんの名前をあげられ、「あの子のポージング、すごく上手だよ。勉強になると思う」と言っていただいたことがあって。モデルのお仕事も3年目でだいぶ慣れたつもりになっていたし、「自分はできている」と思い込み始めていた頃だったから、ハッとしたの。撮影で満足してもらえなかったからこそのアドバイスだと思うと、初心に返って気が引き締まりました。「もっともっと頑張って上達しなくちゃ!」と改めて思えたんだ。