【ラブレターズ・1万字インタビュー前編】放送作家&俳優に憧れ出会ったふたりが、コント師・ラブレターズになるまで。「結成当初はテレビで放送できないアングラ演劇のようなネタばっかり」
『西岡中学校」のネタがとんでもなくウケて、「あ、人生変わっちゃう」
溜口 これはいろんなところで言ってますけど、コンビを組むときに「あなたを輝かせるネタを書きます」って塚本さんが言ったんですよ。だから、どんなネタであろうと、僕はそれを信じるしかなかった。 塚本 溜口さんは演技経験もあったので、最初から今の感じに近くて、けっこうでき上がってたんですよ。なので、足りないのは僕が書くネタだけで。好きな笑いはもちろんやりたいけど、そればっかりじゃダメだと思って、試行錯誤の末にできたのが『西岡中学校』というネタです。 ──その『西岡中学校』で2011年、結成3年目にして『キングオブコント』の決勝に進出すると。 塚本 さすがに決勝までは考えてなくて、とりあえず準決勝まで行って、名前だけでも知ってもらおうと思っていたら、準決勝で『西岡中学校』がとんでもなくウケたんです。もう信じられないくらい。 溜口 あのウケ方は今でも忘れられないね。「あ、人生変わっちゃう」って本気で思いましたから。最初に『西岡中学校』のネタをやったのは、かもめんたるさん主催の『トン子』っていうコントライブだったよね。 塚本 そうそう。僕ら2011年に今の事務所ASH&Dコーポレーションに所属することになるんですけど、吉本さんみたいに劇場を持っているわけではないので、K-PROさんとか先輩芸人の主催ライブとか、いろんなライブにひたすら出まくってました。 ──初出場の『キングオブコント2011』は、7位という結果でした。 塚本 7位でもうれしかったですよ。大舞台でネタができたことだけでだいぶ満足でした。 溜口 出場者の中でも最年少でしたからね。まだ余裕もあった。 塚本 このあと、最年少ファイナリストということで、テレビのバラエティ番組とかに呼ばれてトークをすることになるのですが、僕らその時点で芸人としてちゃんとトークしたことなかったんです。ただネタをするためにライブに出ているだけで、トークライブとかも一回も経験なくて。 溜口 なのに、いきなり品川庄司さんのトークライブに呼んでいただいたりしてね。当然フリートークはできないし、エピソードトークもなければ、特別なキャラもないしで、大変でした。 塚本 ライブに出ても、芸歴3年目なのに“『キングオブコント』ファイナリスト”という目で見られてハードルは上がってるし、『西岡中学校』のイメージが強すぎて、それ以外のネタをやってもまぁウケない。 溜口 『西岡中学校』じゃないにしても、歌とかラップのネタを求められて。 塚本 なので、決勝に行けたことはうれしかったですけど、呼ばれた先でハネない、ライブでネタもウケない、そんな状況にはけっこう参ってました。