放送作家&俳優に憧れ出会ったふたりが、コント師・ラブレターズになるまで。「結成当初はテレビで放送できないアングラ演劇のようなネタばっかり」【1万字インタビュー前編】
2008年ラブレターズ結成。ダークでアングラ演劇のようなネタ
──おふたりとも就職活動はしなかったのですか? 溜口 僕は劇団員もやりながら、民放各局のアナウンサー試験を受けまくりました。そして、全部落ちました。なので、劇団がなくなったあとはフリーターですね。 塚本 僕は卒論でコントを書いたんですよ。論文じゃなく、ひたすらコントだけを書いて、なぜか無事に卒業できた。放送作家のスクールに通っていたときも、コントの案出しだけは楽しかったので、いつかコントやりたいなとぼんやりは思っていました。ただ、大学卒業したあとは、ラーメン屋で働きまくってました。 溜口 それで、塚本さんが大学を卒業した次の年、2008年に『キングオブコント』の第1回が開催されるっていうので、出場するために、ふたりでコンビを組んだんです。 塚本 自分はラーメン屋で働いているのに、その時点で同級生の佐々木くんはもう芸歴4年目とかになっていて。これはまずい、とりあえず『キングオブコント』には出なきゃと思って、相方どうしようかなと考えたときに、思い浮かんだのが溜口さんだったっていう。 溜口 大学時代に、深夜ラジオとか芸人のネタの話とか、けっこう深い話ができるなとはお互い感じていたんですよね。 塚本 溜口さんが出る劇団の公演を観に行ったこともありましたが、言っても新人の下っ端だったので、全然いい役をもらえてなくて。おもしろいのにもったいないな、とかは思っていたので。 ──いざ『キングオブコント』に出場してみて、感触はどうだったんですか? 溜口 当然のように1回戦敗退です。 塚本 まったくダメでしたね。ただ、予選で観たバナナマンさんのコントが衝撃的で。それまでも視聴者としてネタは何度も観てましたけど、実際に同じ出場者として間近で観ると、当たり前ですが、次元が違いました。そこでかなりやる気をもらって、一生懸命コントをやろうと。 溜口 それで、2009年に正式なコンビとしてラブレターズを結成しました。 ──結成初期は、どんなネタをやっていたんですか? 溜口 めっちゃダークでしたよ。最初からネタは塚本さんが担当で、テレビではとても放送できないような、アングラ演劇みたいなネタばっかり書いてましたね。そもそも「ラブレターズ」という名前は、ネタがあまりにダークなので、せめてコンビ名だけでもポップにしようってことでつけたんです。 塚本 そのころはシティボーイズさんに影響を受けていたので、舞台だからこそできるダークでシュールな笑いがかっこいいと思っていたんですよね。あとは、バナナマンさんとおぎやはぎさんのユニットコント番組『epoch TV square』(BS日テレ)をDVDで観まくっていて、その影響もありますね。