放送作家&俳優に憧れ出会ったふたりが、コント師・ラブレターズになるまで。「結成当初はテレビで放送できないアングラ演劇のようなネタばっかり」【1万字インタビュー前編】
優勝後に「そっちのネタやってれば優勝できたかもしれないね」
──バラエティ番組でも、これまでとは違う出方になって、役割分担とかは? 溜口 体を張るお仕事はすべて塚本さんです。この前もお相撲さんと並んで大食い企画やってきました。 塚本 力士、力士、ギャル曽根、塚本という並びで。もはや職業体験ですね。 溜口 ただ、優勝すると、どういう仕事が来るのかはある程度わかってたんですよ。というのも、僕ら『キングオブコント』の決勝に出るのは5回目で。決勝に進出した時点で、先々のスケジュールが「(仮)」で埋まるんです。そこに番組名とかも書いてあるので、4年分のパターンを見てきてる。 塚本 4年分の「全バラし」を味わった経験を経て、初めて「(仮)」が「(決)」になりました。 溜口 毎年チャンピオンが出場する『SASUKE』にも行ってね。 塚本 『SASUKE』の収録日、溜口さんは前々からモルックの仕事が入っていて、マネージャーさんは(同事務所の)阿佐ヶ谷姉妹の単独ライブに駆り出され、僕ひとりで行ってきました。 溜口 相方もマネージャーもいなくて、たったひとりで『SASUKE』に挑むっていう。 塚本 現場では「なんでひとりなの?」って、何人にも聞かれました。 溜口 事務所もまさか優勝するとは思っていなかったので、圧倒的に人員が不足しています。でもそれは僕らも同じで。負けグセが染みついてる。 塚本 一番びっくりしたのが、優勝した直後、スタッフさんと「もうひとつ用意してたほうのネタもやりたかったですね」って話していたら、横にいた溜口さんがマジのトーンで「そっちのネタやってれば優勝できたかもしれないね」って言ったんですよ。 溜口 あれは怖かったね。 塚本 いやいや、優勝してるから! 溜口 『キングオブコント』のあとは、いつも後悔と反省がセットなので、優勝したという認識ができないまま、自然とそう言ってました。 塚本 でもそのくらい、この優勝という状況に現実感がないのはたしかです。