村上宗隆も山川穂高も指摘した「飛ばないボール問題」その真相を選手に直撃! 多くの打者が証言した感覚とは…なぜここまで本塁打が減るのか?
なぜここまで本塁打数が減少しているのか?
現在、NPBで使われる試合球(統一球)はミズノ社製で中国の工場で製造されたものを輸入。NPBが納品前、シーズン中も定期的に大きさ、重さ、縫い目の高さ、反発係数などが規定範囲に収まっているかを検査して使用されている。基本的にこの段階でボールそのものが規定外であるとか、検査に不正や誤差があるとは考えづらい。 それではなぜここまで本塁打数が減少しているのか。理由として投手の平均球速のアップや変化球の精度や種類など技術的な向上を指摘する声もある。 そこで投手にも話を聞いた。 「僕は飛ばないという感じは全くないですね。芯でしっかり捕えられた打球はホームランになっているし、むしろやっぱりいまはリリーフ投手でも150km台の真っ直ぐを投げたり、そういう投手の力が相対的に上がっていることがホームランの減少につながっているんじゃないですか」(E投手) また在京球団のF投手は「ボールが飛ばないという実感はない」と断言していたが、その一方で気になることを語っている。 「ボールによって均一性がないような気がします。特に今年、気になるのは何か、ちょっとブヨブヨした感覚のあるボールがあることですね。たまにそういうボールに当たるときがある」
ボールの交換を求めるケースも…管理方法が変わった?
前出のB捕手もボールの均一性がなくなっているということについては「確かにそれはあるかもしれないですね。ボール交換した直後にピッチャーが、『これ代えてくれる』と改めて、また交換を求めるケースが時々ある」とも証言しているのである。 こうした証言を聞いて、1つ気になることがあった。 それはボールの保管方法だ。 基本的に試合球はミズノ社から定期的に各球団に納品されたものを、球団がそれぞれ球場やクラブハウスの倉庫で保管。試合で使用する分を、毎試合出してくるという形となる。保管場所は使用球場が変わった日本ハム球団以外は、ここ数年は変わらない。 ただ実はボールの管理で、昨年と今年で1つだけ変わったことがあるのだ。 それは製造元のミズノ社がカーボンニュートラルを目指す全社的取り組みの一環として、ボールを1ダース毎に入れている箱を昨年までのコーティングした塗工紙の箱から、今季は段ボール製の箱に変更しているのである。 段ボールは保湿性が高く湿気がこもりやすい。保管時の湿気の影響で、検査当時より湿気を多く含んで反発係数が落ちて、飛ばなくなっている可能性がある。ボールの均質性が落ちて、ブヨブヨする感覚という指摘も保管中に湿気を含んだため、と考えると納得できる。多くの選手が証言するように、去年と今年でボールの飛び方や均質性に変化が出ているとすれば、そうした保管方法の変化がボールに微妙な影響を与えている可能性があるかもしれないということなのである。
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