NHKドラマ『かぞかぞ』「ふてほど」の河合優実が天才ぶりを発揮、「幸せとは何か」を静かに問い掛ける話題作
◆映画界では「天才」と称される俳優 NHKの連続ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(火曜午後10時)が評判高い。幸福と家族の存在が切り離せない主人公・岸本七実の物語である。 【写真】七実の父親役、錦戸亮 七実を演じているのは河合優実(23)。3月に終了したTBS『不適切にもほどがある!』の不良女子高生・小川純子役で一躍知名度が上がったが、このドラマのほうが収録は先。このドラマは約1年前にBSプレミアムで放送されたもので、それが7月9日から地上波で放送されている。 河合はそもそも映画を中心に活動してきた人。デビューから5年で20本以上に出演している。ブルーリボン賞新人賞など数々の賞に輝いており、映画界では「天才」と称されている。その理由が分かるドラマでもある。
◆ハンデのある弟、草太の存在 七実は兵庫県神戸市の高校3年生。地頭が良くて明るく、ユーモアのセンスが抜群。しかし、学校では地味なグループに属していた。 父親・耕助(錦戸亮)は5年前に急性心筋梗塞で他界している。母親・ひとみ(坂井真紀)は整体院で働き、七実とその弟・草太(吉田葵)との生活を支えていた。朗らかな女性だ。中学2年生の草太も明るい性格であるものの、ダウン症であり、やっと1人でバスに乗れるようになったばかりだった。 1人親家庭で、ハンデのある草太がいるため、周囲には岸本家を「かわいそうだ」と考える人もいた。もっとも、当の岸本家にそんな意識はサラサラない。仲良く幸せに暮らしていた。幸不幸は他人が決めることではない。このドラマはそれを教えてくれる。 ひとみは子供たちが生きがいだった。七実もひとみが大好きで、草太がかわいくてたまらない。草太もひとみと七実を慕い、そばを離れたがらなかった。 七実の彼氏・小平旭(島村龍乃介)が草太の存在を知った途端、連絡して来なくなると、七実の側から絶縁を通告する。 「ダウン症の子がいる家にはいろいろあるけど、ウチの家族にとって弟は面倒のかかる存在ちゃう! むしろ私が家族の中で面倒な存在で、弟に助けられている!」(七実) 七実にとって譲れない一線だった。愛する家族のことを疎まれたら、誰だって憤慨する。
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