「切るように指示していない」旧ビッグモーター街路樹伐採、元役員が無罪主張 現場には今も切り株が放置
●「木が邪魔だ。低い木は全部切ったほうがいい」
元役員は、「環境整備点検」で徹底した評価と改善の指示をしていたという。 この事件の発端は、2022年9月21日に川崎店であった出来事からだ。店長のAが休暇で不在の中で実施された「環境整備点検」で、元役員は他の従業員に対して、こう発言したと検察側は指摘する。 「木が邪魔だ。低い木は全部切ったほうがいい」 その2日後の23日、元役員はAに対して「環境整備点検」の結果を説明。26日には同店の従業員が、店舗前の街路樹を管理する川崎市に対して電話で、「街路樹を切ってもよいのか」と問い合わせたという。10月6日には、川崎市から「先をつまむ程度であれば切ってもよい」との回答を受けた。 11日に、元役員はAに対してLINEで、街路樹のない他店舗の写真とともに「歩道はこのイメージで」というメッセージを送信。少なくとも、この時点でAは街路樹の切断を要求するものと理解していたと検察側は述べる。 さらに、元役員はAにこうメッセージを送ったという。 「市に確認するとかじゃなくて、自分で動いてください。自立性を持ってやってください」 Aはこのメッセージから、自身が不利益な処分を受けることを心配し、早急に街路樹を切断する必要があると考えたとのことだ。
●「木は全て切りました」とメッセージを送信
翌12日、Aは犯行を実行するために、午後0時ころにノコギリを購入。Aは同店従業員のBに対して、街路樹を切断するように指示し、犯行に及んだ。 その後、午後1時25分には、Aは男に対して「木は全て切りました」とメッセージを送信。 そうしたところ、元役員は街路樹と歩道を分けるコンクリート製の植樹帯にコケが生えていたことから、写真の中の該当部分を赤色で囲み、Aにコケを取るように指示したとのこと。その指示を受けたAは、コケを除去し、再び元役員へ写真を撮って送信したという。 その後、23年の「ビッグモーター問題」の報道を受けて、川崎市が現地調査を実施したことで本件犯行が発覚。川崎市は警察へ被害申告をし、元役員やAらを告訴した。