お盆のごちそう「えご」の今 長野の一部地域の“伝統の味” 原料は日本海でとれる海藻 消費量・収穫量は減少傾向
特集はお盆のごちそうです。長野県の大北地域や西山地域でこの時期によく食べられる「えご」。原料は日本海でとれる海藻です。近年、消費量も収穫量も減少傾向にあるといいます。お盆の食卓を飾ってきた伝統の味の今を取材しました。
たくさんのごちそうが並ぶ中、ありました、ちょっと地味な色合いの「えご」。でも、西山地域ではお盆に欠かせない伝統の味です。 ひ孫・愛さん: 「おいしい!(グーポーズ)」 実也さん: 「海の風味がしてよろしいかと思います」
「えご」はこれを煮溶かし、冷やして固めたもので、そのまま食べられるパック詰めも販売中です。 購入した人はー 地元の住民(67): 「定番、えごはお盆に食べるものという、なんとなく頭に定着してるので。県外に出た人たちなんか戻ってくると懐かしいと言って」 信州新町から(88): 「お振る舞い、親戚とか来たときにやるみたい。えごはごちそうみたいですよ、山だから」
店は「えご草」を通年で扱っていますが、お盆と年末年始はまさに「ド定番」の人気。ただ、消費の傾向には変化が生じているようです、 フレッシュトップ田中屋・田中利加子社長: 「えご草は昔、1日何十袋という単位でお盆の時期は出てました。だんだん家で作る人も少なくなってきて、ここ数年は出来合いのものの方がよく購入されている」
■「えご」取り巻く環境は厳しく
食の多様化や利便性の追求もあってか「えご」を作る新潟県長岡市の加工メーカー「猪貝」によりますと、消費量は減少傾向ということです。 さらにー エゴノリが採れるのは新潟・石川・青森などの日本海沿岸。「漁」は夏の限られた時期しかできませんが、地域の収入源の一つとなってきました。