木村拓哉、『グランメゾン東京』メンバーと5年ぶり再会もブランク感じず
◆パンデミックという実在した時間を大切に
2019年に日曜劇場枠で放送され、多くの作品ファンを生み出した木村拓哉主演の『グランメゾン東京』。映画『グランメゾン・パリ』公開を控え、公開前日となる12月29日に完全新作スペシャルドラマ『グランメゾン東京』(TBS系)が放送される。日本で三つ星レストラン「グランメゾン東京」を作り上げた後、世界に挑むためにパリへ行ったはずの主人公・尾花夏樹を演じる木村が、続編にかける想いや演じる上で大切にしていたことなどを語ってくれた。 【写真】木村拓哉、『グランメゾン東京』が描くコロナ禍に思い「飲食を描くんだったら中途半端にやっちゃいけない」 オープンからわずか1年でミシュランガイドの三つ星を獲得した「グランメゾン東京」。しかし、新型コロナウイルス感染症の蔓延で飲食業界、そして「グランメゾン東京」も例外ではなく大きな打撃を受けていた。早見倫子(鈴木京香)は店を維持することばかりを考えてしまい、全ての星を失ってしまう。一方でパリに行ったはずの尾花夏樹(木村拓哉)は姿を消していた。ひょんなことから一日一組限定のフレンチレストラン「メイユール京都」で、倫子は尾花がそこにいると確信する――。 ――続編の話を聞いたときの感想を教えてください。 木村:非常にうれしかったと共に、新型コロナウイルス感染症というパンデミックさえなければもっと早いタイミングで皆さんと会うことができたのかなと思いました。ですが、その時間が実在していましたし、やりたかったけれど、やれる状況ではなかったというのが正直なところかなと。そして、このタイミングで続編の話を立ち上げていいならば、フィクションとはいえ、なかったことにしてはいけないと思ったんです。この期間、踏ん張られた方々もいれば、別の選択をせざるをえず、お店を閉めた方々も少なからずいらっしゃる。そういう選択を強いられてしまった方々に対しても、フィクションだからと避けて描くのは嫌だなと感じて。プロデューサーの伊與田(英徳)さんとお話をさせていただいたときに、スペシャルドラマの脚本に盛り込んでもらったんです。 ――<パンデミックをなかったことにしてはいけない>という気持ちは、ご自身にも大きく影響があったからでしょうか? 飲食店の実情を見て、そう思ったのでしょうか? 木村:お店とお客様の関係性かもしれないですが、料理を考え、作り、提供し、食べていただくって、究極のコミュニケーションじゃないですか。そのコミュニケーションが取りたくても取れなかった期間というのは、いち出演者としてもすごくつらい時期でもありましたし、飲食を描いたお話なので、そこを避けて通るのは違うかなと。「グランメゾン東京」のメンバーがもう一度皆さんの前にふっと現れるときに、この期間が全くなく「皆さん、お久しぶりです」というのは、飲食を題材とする作品として不自然かなと思ったんです。