FINAって知ってる? トヨタ・セリカGT-FOURのレプリカは1991年WRCツール・ド・コルス仕様! ST162とST165を4台乗り継ぐオーナーの選択は!?
1991年ツール・ド・コルス仕様レプリカの「FINA」って何?
その最後こそ画竜点睛を欠いたものの、三世代7年に渡ってトヨタのワークスラリーマシンとして活躍したセリカGT-FOUR。その嚆矢がST165であることは間違いない。1988年のデビューから1991年まで使用されたST165は、モータースポーツではお馴染みのタバコブランド「マールボロ」がメインスポンサーとなり、ワークスマシンはやはり例の紅白に彩られていた。 しかし、今回取材したレプリカはマールボロカラーではなく大きく「FINA」の文字が入ったトリコロールのカラーリングだ。 このFINAカラーのセリカGT-FOURのモデルは1991年のWRC第5戦ツール・ド・コルスに参戦したトヨタのサテライトチーム「TOYOTA FINA TEAM」のもの。FINAはベルギーの石油会社でモータースポーツ、特に市販車系のカテゴリーには積極的に露出しており、WRCに加えDTMやスーパーツーリング、ルマン24時間でチームやドライバーをサポートしていた。現在はTOTAL(トタル)傘下になっている。 このラリーではターマックスペシャリストのベルギー人ドライバー、マルク・デュエツがドライブしてカルロス・サインツ(TTE=トヨタワークス/セリカGT-FOUR)、ディディエ・オリオール(ジョリークラブ=ランチア/デルタインテグラーレ16V)、ジャンフランコ・クニコ(フォードイタリア/シエラRSコスワース4×4)に次ぐ4位でフィニッシュしている。 とはいえ、このTOYOTA FINA TEAMがWRCでセリカGT-FOURを走らせたのは1991年の1年のみで、参戦ラリーもモンテカルロ、ポルトガル、ツール・ド・コルス、RAC(イギリス)の4戦のみ。日本では決してメジャーな存在とは言えない。ではなぜ、オーナーはこのマニアックな仕様を選んだのだろうか?
WRCとは関係なくST160系セリカが好きだった
このセリカのオーナーであるオギハラさんは大学時代にST162のセリカを購入。当時は特にWRCは意識しておらず、とにかくこのT160系のセリカがカッコいいと思ったそうだ。 FFのST162を2台乗り継いだのち、初めてセリカを買った時には手が出せなかったGT-FOURが忘れられず、大人になってからようやく購入することができたという。 しかしそれがこの個体ではなく、最初のGT-FOURを10年乗ったのちに今のGT-FOURに乗り換えて11年乗っている。ST162を2台、ST165を2台、合わせて4台のT160系セリカを乗り継ぐほど惚れ込んでいるのだ。 T160系セリカは1985年から1989年まで生産され、GT-FOURの追加が1986年。1987年にマイナーチェンジが実施され、フロントグリルなどの意匠が変更されたほかGT-FOURの4WDシステムも改められたが、オギワラさんは後期型が好きとのこと。ちなみに、前期型GT-FOURは生産期間が短い上に、さらに後期型との間に中期型が存在するというマニアックな話をしてくれた。
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