FINAって知ってる? トヨタ・セリカGT-FOURのレプリカは1991年WRCツール・ド・コルス仕様! ST162とST165を4台乗り継ぐオーナーの選択は!?
どうしてFINAカラーを選んだのか?
前述のとおり、ST165型のセリカGT-FOURがWRCで活躍した際のワークスカラーはマールボロの紅白である。オギワラさんはなぜマニアックなFINAカラーにレプリカすることを選んだのだろうか? 実はこの個体は元々ガンメタだったものを2年乗ったのちにブルーに全塗装。ブルーで8年乗って今度はホワイトに色変え。その際にホワイトベースでレプリカ化することにしたそうだ。 「東北セリカday」という歴代セリカのミーティングイベントに参加してみると、グループAセリカはST165、ST185、ST205とレプリカ仕様がちらほら見受けられるもののやはりマールボロやカストロールが主流。それとは違ったカラーにレプリカしたいと思って候補に上がったのがこのFINAカラーと、1989年にヨーロッパラリー選手権を中心に戦ったBASTOS TOYOTA TEAMのBASTOSカラーだったが、最終的にFINAカラーをセレクトした。 ちなみにBATOSはスペインのタバコブランドで、ヨーロッパを中心としたレーシングシーンで広くスポンサー展開をしており、1987年のスパ24時間にはBASTOS TOYOTA TEAMがスープラ(MA70)をアンデルス・オロフソンのドライブで走らせている。ラリーでもヨーロッパの有力チームを支援しており、特にベルギー人ドライバー、パトリック・スナイヤーズが有力なコンテンダーとして挙げられる。
専門店「寿自動車」のメンテナンスでコンディションは抜群
カラーをFINAカラーにレプリカしているだけでなく、ルーフにはベンチレーター、ボンネットには熱抜きのダクトを追加するなど手を加えている。ルーフもボンネットもカットして加工しているが、その仕上がりは実に綺麗だ。 他にも、サイドマーカーをヨーロッパ仕様にするなど細かいところにも手を加えている。 そしてやはりST165型セリカGT-FOURのラリーレプリカに欠かせないのがOZレーシングのホイール。復刻したRally Racingの17インチはもちろんホワイトに赤文字。ターマック仕様らしく17インチに215/451R17サイズのピレリPOWERGYを装着する。 一方でエンジンまわりは基本的にノーマルを維持しており、先々やや不満なブレーキ性能をアップデートした上でリフレッシュを考えているそうだ。 これまで大きなトラブルといえばパワーステアリングホース破損によるオイル漏れ程度でコンディションは良好。というのも秋田県にあるグループA時代のセリカに強い寿自動車整備工場にメンテナンスを依頼しており、トラブルにつながりそうな部分を未然に対策しているから。 前述のルーフベンチレーターやボンネットの加工、現在装着しているST205のものを加工したマフラーなども寿自動車による施工だ。 またインテリアも概ねオリジナルが維持されており、ステアリングはMOMOのRACEを装着。ホーンボタンに「GT-FOUR」のロゴを仕込むなど凝った演出だ。 さらに社外品のノブを装着しているシフトレバーは寿自動車の施工で短縮加工を施し、球状のノブを上から握るポジションにしている。 今や貴重なST165型セリカGT-FOURが、抜群のコンディションで維持されているのはとても素晴らしい。さらにそれがFINAカラーレプリカだというのだから、そのマニアックなセレクトに喝采の拍手を贈りたい。オーナーのオギハラさんには末長くこのセリカを楽しんで欲しい。
MotorFan編集部
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