休日の寝だめや二度寝にも限度があります【40代・50代の睡眠改革】
ネムリノチカラ代表、快眠コンシェルジュのヨシダヨウコさんと「質の良い睡眠」を探求するOurAge連載「ニッポンマダムの睡眠改革 」。今回お話しいただいたのは、“休日の寝だめや二度寝”についてだ。 「『(小さくガッツポーズしながら)今日は土曜日。まだまだ寝坊できるー!』と、二度寝もしくはアラーム無しの無制限睡眠などしていませんか? 二度寝。いい気分ですよね。 少しずつ季節も進んでお布団の中がだんだん居心地良くなると、さらに『ここから抜け出せない!』なんてこともあるくらいですから、休みの日の朝寝坊は至福だったりします。 普段はどうしても睡眠不足になりがちなので、休日は少しでも睡眠不足解消のために長く寝たい。その気持ち、わかります。 ですが、この二度寝にも限度があるのはご存知でしょうか? 答えを言ってしまえば、そのおまけの睡眠は2時間くらいが限度だと思います。例えばいつも朝7時に起きている人なら、休日は9時には起きて欲しい感じです」
睡眠中央値のズレは最小限に
「これは体内時計のズレを起こさないための対策です。 前述を例にしてみると平日は夜24時に就寝して朝7時に起きる、7時間睡眠とします。この人の平日の睡眠中央値は夜中3時半となります。 この人が休日は夜更かしをして、夜中3時に寝て、遅めの朝10時に起床したとします。同じく7時間睡眠となり、一見問題ないように感じますが、中央値はこの場合6時半になります。中央値のズレは3時間。これを時差としたらバンコクを通り越してダッカまで行っていることになります。 そう、自分のカラダは日本から一歩も外に出る事なく、時差ボケ状態を生むのです。
この状態をソーシャルジェットラグと呼んだりしますが、表面的には何ら変化が見てとれなくとも、ホルモンの調節などには影響を及ぼし、肥満やメタボにも影響があるとも言われています。 誰しも休日にこんな経験をして、月曜日の朝にとってもつらい思いをして起きたことがあるはず。中央値のズレが大幅であればあるほど、月曜日(もしくは休日明け)はつらくなるのです。 それが火曜日、水曜日と日にちが経つにつれて、少しずつ元のリズムを取り戻し、木曜日、金曜日あたりになると調子が出てくる人もいるでしょう。ですが、また週末にどーんと体内時計をずらしてしまうと同じような週明けを迎えることになるのです。 いつも同じ時間に寝て、起きる。シンプルですがこれができていると、月曜日のつらさはありませんし、カラダのコンデションは整います。 休み明けにパフォーマンスが上がらないのはなぜ? と感じている人は休みの生活リズムを見直してみるといいかもしれませんね。では、今宵も良い眠りを」
【話してくれたのは】 ヨシダヨウコさん ネムリノチカラ代表。快眠コンシェルジュ。日本睡眠学会正会員。寝具店の娘として生まれ、心地よい睡眠を幼児期より体験するが、社会人になりたての頃、働きすぎで体調を崩す。また、実母の介護生活からも睡眠の重要性を再認識する。 漢方、発酵食、アロマ、呼吸、瞑想、ストレッチなどを取り入れ、日々「質の良い睡眠」を探求しながら、各方面へ発信中。代表を務めるネムリノチカラでは、企業の健康経営セミナーや個人の睡眠相談に応じるなど、睡眠全般についてのサポートを行っている。著書に『眠りのチカラ タイプ別睡眠改善&リッチ睡眠TIPS 101』(みらいパブリッシング)がある。