【独自】「看護師になりたくて入っただけなのに」教員からの"罰"を回避するため『生徒同士で互いを監視』異様な学校生活を生徒らが証言 保護者も怒り「どんな学校なんって」【看護専門学校でパワハラ疑惑】
看護学校に通っていた息子が自死 父親が始めたのは…
看護学校でのパワハラ問題はこの学校だけに留まらない。岐阜県に住む高橋裕樹さん。おととし7月、県内の看護学校に通っていた長男・蓮さん(当時19)が自ら命を絶った。 (高橋裕樹さん)「『学校どう?』と妻がLINEしたら『学校がつらい』と言っていた。病院から電話がかかってきて、『息子さんが高いところから落ちて心肺停止の状態だから大至急来てください』と言われた」 蓮さんが遺した記録には、看護実習の初日から重篤な患者の担当を割り当てられ適切なサポートがされていなかったほか、教員から人格を否定されるような発言を受けていたことが記されていた。 高橋さんは「息子のような生徒をなくしたい」という思いから、全国の看護学生からハラスメントの相談を受け付ける団体「全国看護学生はぐくみネット」を立ち上げ、学校や自治体などに問題の改善を要望する活動を行っている。 (高橋裕樹さん)「やはり看護学校のあり方を変えていかないといけない。(学校の)内部で処理するともみ消したりとかいうことになるので。私たち第三者が関わることで『外部が見てますよ』と示す」 団体を立ち上げた去年4月から今年1月までの約10か月間で、全国の看護学生から寄せられた相談は331件にものぼったという。なぜ、ハラスメントが起きるのか。実習での成績評価などが教員の主観によるものが大きく、学生の立場が弱いからではないかとみている。 (高橋裕樹さん)「教員に対して言いたいことがあっても言えないとか、目を付けられたら、自分がひどい目に遭うかもしれないと思いがち。少なくとも学生からするとすごく抑圧された立場にあると思います」 看護学校でのハラスメント問題。将来の医療を支えていく学生たちの教育環境を改善することがいま、求められている。