令和7年皇室の展望『過去と未来をつなぐ年へ』~両陛下が向き合われる戦後80年と阪神・淡路大震災30年の節目 愛子さま初めての海外訪問は? 大学進学の悠仁さま初記者会見で何を語る?~
2024年は皇室の多くの行事がコロナ禍前に戻り、皇室の活動が本格的に再開した年でした。天皇皇后両陛下は、留学した思い出の地でもあるイギリスを公式訪問されました。国内では、能登半島地震と豪雨災害のお見舞いのため、3度にわたり石川県を訪問されました。 【愛子さまの1年】ご就職と初めてづくしの公務にお人柄伝わる「少しでも人のお役に」 両陛下の「令和流」のなさりようが見えてきたこの1年を振り返りながら、皇室の新しい1年を考えます。 (社会部 加納美也子・髙橋英礼奈)
■阪神・淡路大震災30年 両陛下の自然災害への思いは
2024年は、元日に石川県の能登半島を最大震度7を観測する地震が襲いました。両陛下は地震発生直後から被害に深く心を痛め、2か月連続で石川県の被災地を見舞われました。 3月には被害の大きかった輪島市と珠洲市を訪れ、多くの犠牲者が出た輪島朝市などで黙とうを捧げ、避難所では、水道が自由になっていない被災者の生活を気遣われました。さらにほかの地域への心配を続け、翌月には再び被災地を訪れ、穴水町と能登町を見舞われました。 避難所では、腰を落として被災者一人ひとりと目を合わせながら、声をかけ、また消防団員や医療従事者など災害対応に当たった人々を労い、気遣われました。 さらに奥能登では、復旧・復興途上の9月、記録的な豪雨に襲われ再び多くの人々が被災しました。両陛下は12月、豪雨災害の被災地を見舞うため、同じ地域に1年で3度目となる異例の訪問をされました。 両陛下は“複合災害”や“二重被災”と呼ばれる災害によって生じているさまざまな困難について改めて理解を深めると共に、被災した人々と話す中、涙を流す人が多いことに、“二重被災”を受けて心が傷つけられているというように感じて心を痛められたと言います。 2024年は、3度の被災地お見舞いを通じ、両陛下が"国民の中に入り、国民に寄り添い、国民と苦楽を共にする"姿勢を改めて鮮明に打ち出された年ともなりました。
2025年は、阪神・淡路大震災から30年という大きな節目の年です。両陛下は1月17日、阪神・淡路大震災30年追悼式典に出席されます。両陛下は皇太子時代から節目の追悼式典に出席されてきました。 その後の東日本大震災の被災地にもたびたび足を運び、即位後も福島・宮城の台風被災地見舞いや能登半島の被災地見舞いなどを重ね、「令和流」ともいえるやり方で、被災した人々の心に寄り添い、被災地の復旧・復興と明るい未来を願われてきました。 さらに天皇陛下はライフワークとする「水」の研究と同時に「自然災害」「防災」についても考察を深められてきました。1月の阪神・淡路大震災30年追悼式典では、繰り返し自然災害に見舞われる日本の現状を踏まえ、どのようなメッセージを発信されるのか注目されます。