【高校陸上】女子100mH・木梨光菜(倉敷中央高)高校ラストシーズンで“再び”新記録を狙う
活躍中の注目高校アスリートをフォーカスして紹介するコーナー!2024年1回目は、女子100mハードルが専門の木梨光菜選手(倉敷中央高)です。昨年10月のU18大会ではU18日本新記録をマーク。高校最終学年を迎える今シーズンは、一般規格で大きな目標を掲げています。 木梨選手のプロフィールをチェック!
驚いたU18日本新記録
――昨年はどんなシーズンでしたか。 木梨 内容が濃いシーズンでした。リレーでも4×100mリレーはインターハイで3位に入り、個人的には400mが苦手ですが、4×400mリレーでは中国高校記録が出せました。それらの結果から個人種目にもつなげられた気がします。でも、100mハードルでは、国体で同学年の2人(松田晏奈選手/長崎日大、谷中天架選手/大分雄城台)に勝てなかったのはちょっと悔しかったです。 ――前のシーズンと比べて、どういう部分が成長したか教えてください。 木梨 2022年度は故障などでちょくちょく練習が満足にできないことがありましたが、今年度はケガがなく、練習でしっかり走っていたのが大きいと思います。4月に走り込みを始めてから一気に自己ベストが出て、インターハイで速い人のスピード感覚を学んで、1段階強くなれた感じです。 ――2023年で会心のレースは。 木梨 10月のU18大会優勝(100mハードル※U18規格)は気持ちの面で大きく変わりました。2月の日本室内大阪大会(以下大阪室内、U18・60mハードル)で優勝できそうだったところで、転倒して失格になってしまい、不安もあったのですが、自分に集中して走れたので、すごく良かったと思います。 ――タイムも13秒26(+1.2)のU18日本新でした。 木梨 予選のあと、13秒2を出したいなと思っていましたが、本当に出てビックリしました。 ――初の全国大会優勝は格別でしたか。 木梨 違いますね。周りからもたくさん「おめでとう」というメッセージをもらいました。今までは5つ上の兄(嘉紀/順大)がみんなから「すごいよね」と言われていましたが、やっと自分の方が「すごいね」と言われるようになりました。 ――注目される存在となりましたが、2024年に向けて心の準備はいかがですか。 木梨 自分の上には松田さんや谷中さんがいますし、1学年上に林美希さん(中京大中京3愛知)という大きな存在です。そこを超えて、小林歩未さん(千葉・市船橋高/現・テキサス大サンアントニオ校)の高校記録(※一般規格13秒34)を更新できるようにがんばっていきたいと思います。 ――木梨さんが思う自分の強みを教えてください。 木梨 気持ちですかね。本番になると、燃えるというかアドレナリンが出て、勝ちにこだわるので、練習とは違う勝ち方ができます。本番に強いかなと思っています。ただ、(ハードルでの)技術面での強みはあまりなくて、スプリントで走る感じです。でも、昨年の後半あたりから、1台目を遠くから踏み切って入れるようになり、U18大会でもうまく行きました。 ――高校記録を目指すための課題は。 木梨 1台目を安定させること。また、抜き脚とかリード脚の速さは、インターバルをどれだけ速く走れるかにもつながるので、そこを意識しています。イメージとしては「跳んでいる最中にはもう降りる動作ができて、次に向かっていく」という感じです。森定照広先生に「そこを意識したらもっと速く走れるよ」と言われていて、2月の大阪室内で試したいと思います。 ――あこがれの選手はいますか。 木梨 海外ならサリー・ピアソン選手(豪州/ロンドン五輪100mハードル金メダリスト)です。走りもカッコ良くて全部が憧れです。兄が豪州合宿に行った際にサインをもらってきてくれて、家の宝です。 ――競技者として将来の目標を教えてください。 木梨 オリンピックなどの世界大会に出たいというのが大きな目標です。年々レベルが高くなっていて、日本人選手も12秒台が出る時代なので、「どのくらいのタイムを出したら行けるんだろう、12秒台なんて出るのかな」と思ったりもします。