親元を離れて寄宿舎生活

昨年のU18大会で初の全国大会優勝を果たした木梨選手

――陸上を始めたきっかけは。 木梨　小学5年生の時に兄に勧められて、県の学童大会に出たら100mで優勝して、6年生からハードルを始めました。全国大会に出る時に少しだけクラブチームで練習しましたが、基本的には近所にある津山の競技場で、お兄ちゃんが教えてくれました。 ――他のスポーツ歴はありますか。 木梨　小学校の頃はずっとハンドボールを、5年生からはバスケットボールも地元のクラブチームでやっていました。ハンドボールは倉敷のチームに混じって全国大会に出たこともあります。 ――中学から陸上に絞ったようですね。 木梨　津山の中学校にはハンドボール部がなかったからです。兄もそれで陸上を始めた感じで、自分も結果を出せそうだし、「陸上かな」という軽い気持ちでした。 ――ハードルの魅力は。 木梨　ハードルを跳ぶたびにインターバルで調整できるので、切り替えながら走れるところが魅力です。 ――地元から離れた倉敷中央高校に進学した理由は。 木梨　もともとは兄と同じ津山高校を考えていましたが、陸上部の顧問の先生が定年退職されると聞き、兄からは「（倉敷）中央がいいんじゃない？」と言われたからです。自分はハードリングがなかなかうまくならなくて、スプリントを極めるしかないと思っていたので、スプリント種目が強い倉敷中央に決めました。 ――入学して陸上部の練習や雰囲気はどうでしたか。 木梨　練習はすごくきつかったです。朝練も中学校の頃はなかったですし、先輩に「これでも、軽いほうだよ」と言われても、とにかくついていくのに必死でした。 ――普段の練習で意識していることは。 木梨　とにかく走り切ることを意識しています。1本でもサボったら負けると自分に言い聞かせながら取り組んでいます。 ――春から最上級生になります。 木梨　新チームが立ち上がって副キャプテンになりましたが、副キャプテンとしては何もできていません。キャプテンの岸田美久（2年）が全部指示を出したり、仕切ってくれたりがんばってくれていて、頼ってしまっています。 ――寄宿舎生活をされているそうですが、親元を離れての生活に不安や寂しさはありませんか。 木梨　1年生の時はずっと寂しくて、週末はなどを利用して結構帰っていました。でも、2年生になると慣れてきて、寮に帰るとみんなで「お疲れ」とあいさつしたりと、みたいな感じで楽しく生活できています。 ――木梨さんのほかに寄宿舎生活を送る陸上部員はいますか。 木梨　1人だけです。ただ、部屋は同じ部活にはならなくて、定期テストが終わるたびに部屋替えがあります。他の部活の人でも、大会に対する気持ちや行動は陸上と変わらなかったりするので、学ぶことも多いですね。 ――年末年始は帰省されましたか。 木梨　学校の冬休み期間は寮が閉まるので、部活がある日は実家のある津山市から学校まで通っていました。休みは4日間あったので、祖父母の家でゆっくりしました。 ――競技以外の学校生活はいかがですか。 木梨　楽しいです。クラスが女子しかいなくて、みんな素で話すので、それが楽しいです。 ――得意な教科、好きな教科は。 木梨　自分はどれもまんべんなく同じくらいの点数で、歴史とか社会系は好きです。実は体育があまり得意じゃなくて、サッカーの授業ではゴール前で空振りしました。 ――授業や部活以外の時間は、どんなふうに過ごしていますか。 木梨　部活は日曜日が休みなので、だいたい実家に帰ってゆっくりしています。あとは先輩や友達とご飯食べに行ったり、最近では、4継メンバーでご飯を食べに行きました。 ――今、ハマっているものは。 木梨　K-pop系が好きなので、Stray KidsとかTWICEを部屋で聴いたり、大会の日は朝ホテルで流しながら準備しています。 ――競技以外で将来の目標はありますか。 木梨　自分がトレーナーさんにケアをしてもらって助かったことが多いので、スポーツ系の道に進みたいなと。どこかで陸上とつながるような仕事をできればと思っています。