【全文書き起こし】船田元・自民党憲法改正推進本部長の記者会見
28日に都内で行われた、船田元・自民党憲法改正推進本部長の記者会見。船田氏は、憲法改正は何回かに分けて行う意向を示し、「第1回目の改正は2年以内に実現したい」と希望を語りました。以下、会見内容の全文書き起こしをお届けします。
■全文書き起こし
船田:それでは、座ったまま失礼いたします。私は自由民主党の憲法改正推進本部長、そして衆議院の憲法審査会筆頭幹事を務めております船田元でございます。 本日は、日本外国特派員協会にお招きをいただき、わが国の憲法改正に関する現状を紹介をする機会をいただきました。心から感謝をいたします。 まず最初に、日本において憲法の改正がなぜ必要かということでありますが、自民党の中にはこれまで2つの大きな考え方がございました。1つは1945年、日本が敗戦になったすぐあとに連合国GHQ、司令部が占領いたしまして、マッカーサー総司令官からいわゆるマッカーサー草案という、日本の憲法の原点を与えられたと、こういうことがありました。 従って、マッカーサーから与えられた憲法であるから、その良しあしはともかくとして、日本人の手で作り直すべきである。これがわが党、自民党の党是であり、自主憲法の制定という考え方につながるものでございます。 しかし、もう一方、もう1つの考え方は、確かに今言いましたように、与えられたということは歴史的な事実であるけれども、しかし戦後70年近く、今の憲法はわが国の国民生活にとって定着をしたものとなっている。しかし国際社会、わが国の社会の大きな変化がその後ございまして、それに十分に対応できていない部分が生じてまいりましたので、われわれは憲法を直していくべきだ、という考え方が2つ目であります。私の立場は両方の考え方には理解を示しておりますが、個人的な考え方を言えば、私はその後者の考え方に近いということを申し上げたいと思います。
これまでわれわれ、憲法審査会、あるいはまた、憲法推進本部で議論してきたことは、憲法改正のための環境の整備ということでございました。1つは改正の手続きにとって重要な要素であります、国民投票法を整備すること。もう1つは、この国民投票が18歳から投票できるということにしましたので、やはり選挙権の年齢も18歳にしようということで、公職選挙法の改正を行うことでございました。最初の国民投票法はすでに昨年5月に施行されましたが、公職選挙法の18歳は現在、国会で議論中でございます。 これからはいよいよ、憲法改正の中身の議論に入っていくことになりますが、そこでいくつかの原則というものを申し上げたいと思います。1つは、衆議院、参議院に憲法審査会が置かれていますが、そこでオープンの議論をしていきましょう、ということです。2つ目は、改正に反対する、している政党も交えて、時間のかかる問題ですが、反対派も入れた中での議論であるべきだということです。3つ目には、各党の所属議員、数は自民党が一番多いですが、各党の所属議員は多いもの、少ないものありますが、原則としてはそれぞれの政党に平等の時間、発言時間を与える、ということをこれまでの慣例としてきました。これからも続けたいと思います。4番目には、改正のやり方になりますが、改正したい項目はいっぱいあるんですけれども、それを一遍に改正するというのではなくて、内容をもとに、関連をするものについてまとめて、何回かに分けて投票を行う、あるいは改正を行うという方式を採るということです。 そうして、第1回目の憲法改正については、明確にそのタイミングを申し上げることはできませんが、私の希望としてはこれから2年以内に第1回目の憲法改正を実現したいと考えています。