昭和男、ランクル250に乗る! 歴史あるクロカンの最新版に何を思う?
コックピットやセンターのディスプレイはフルデジタルで、見やすい表示スタイルを選ぶことができる。グラフィックもキレイ。ステアリングや空調周りの加飾は質実剛健で大袈裟でなく、エクステリア同様に最新モデルらしい新鮮さがある。昭和の時代は遠くなりにけり、だ。
ZXが装備するダークチェスナットカラーの本革シートはなかなか豪華。運転席は8way、助手席は4wayのパワーシート、2列目はリクライニング&タンブル式、3列目は電動で格納/展開できるタイプだ。さすがに3列目は座面が低く(というか、床面が高い)、体育座りを強いられる。
■走りにラダーフレームのクセがない! 300とほぼ変わらぬ体躯の250だが、走りは重厚さとは逆で、実は軽くてドライバーフレンドリーな性格を持っていた。ディーゼルエンジンの音は結構室内に侵入してくるけれども音質自体は不快なものではなく、スタート時や、パーシャルから強めの加速をしてみた時の「ガルルルン」というサウンドはボディの動きに比例していて、いい気分で運転できる。
直進性はとても優れているし、ラダーフレームのクルマでコーナーを通過した時に顔をだすグラリ感や、段差を通過した時のボヨンボヨンとした動きが見られず、構えて乗った筆者はちょっと拍子抜けしてしまった。すばらしいというか、ちょっと寂しい(?)というか。他のランクルのような油圧式パワステ(信頼性を重視して採用)ではなく、250はよくチューニングされた電動パワステを採用しているおかげで、どんな場面でも手応えに一定感があって、それが走りのスムーズ感に伝わっているとも思われる。 狭い道路でのすれ違いなどクルマのサイズが気になるような場面では、垂直な面を持つボディサイドと、それがよくわかる縦長のバックミラーのおかげで、道路の端ギリギリまで車体を寄せることができる。視界という意味では、フロントガラスの下端がまっすぐ水平になっていたり、センター部を少し低くしたボンネット形状により見切りがよかったりと、まさにランクルのDNAをきちんと引き継いでいる点はさすがである。