プライベートクレジットのプレミアム縮小-投資家はデフォルト警戒
(ブルームバーグ): プライベートクレジットは競争激化とデフォルト(債務不履行)増加で、容易に稼げる時代が終わりに近づいているとの見方を一部の業界大手が示した。
ミルケン研究所アジア・サミットに参加したHPSインベストメント・パートナーズの欧州責任者マシュー・ブーランジェ氏は、「かつては貸し手側の『流動性プレミアム』は350ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)にも達していた。しかし、今は1-1.5%程度だ」と述べた。
米連邦公開市場委員会(FOMC)が0.5ポイントの利下げを18日に発表したことで、借り入れコストはさらに低下する可能性がある。
デビッドソン・ケンプナー・キャピタル・マネジメントの共同副マネジングパートナー、パトリック・デニス氏は、契約違反や借り手・貸し手間の問題先送りといった要因で、プライベートクレジットのデフォルト率が3-5%に近づいていると指摘。「われわれが評価しようとしている市場における最大のリスクだと思う」と語った。
米バージニア州退職年金制度のポートフォリオマネージャー、キャサリン・グラウィ氏は、銀行が貸し出しを減らす中で、同制度としては依然として魅力的な「規模の好機」を見いだしていると明らかにし、その好機は商業・住宅用不動産や資産担保ファイナンス、銀行からの合成リスク移転にあると説明した。
プライベートクレジットの終わりを予想するサミット出席者はいなかったが、過剰な競争がもたらす展開に触れたパネリストもいた。
原題:Private Credit Premiums Shrink as Investors Warn of Defaults (抜粋)
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David Ramli、Bei Hu