1日1升のコメで体重12キロ増 明石商・井上、2点タイムリーに結実 交流試合
2020年甲子園高校野球交流試合は第5日の16日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で行われ、明石商(兵庫)は桐生第一(群馬)に3―2で競り勝った。 【がらんとしたスタンド】甲子園、いつもと違う夏 打球を目で追いながら、明石商の5番・井上は祈っていた。「越えてくれ」。ジャンプした遊撃手のグラブの上をライナー性の打球がかすめ、左中間の芝生に転がった。互いに無得点の六回2死二、三塁、均衡を破る2点適時打。3年間の成長を示した一打だった。 わずか2球で追い込まれたが、バットを指2本短く持ち、桐生第一の左腕・宮下が決め球にする外角球に狙いを定めた。外に逃げるスライダーに右足を踏み込み、「球の内側をたたく意識」でコンパクトに捉えた。 入学時は体重60キロ程度で「打球が外野まで飛ばない」のが悩みだった。堅守を買われて1年秋からベンチ入りしたが、4強入りした昨夏の甲子園は1打席に立っただけ。昨秋、定位置確保に向けて一念発起し、多い日には1日1升の白米を食べ、筋力トレーニングにも精力的に励んだ。パワーを備え、169センチ、72キロの屈強な肉体を手に入れ、打球も飛ぶようになった。 得意の守りでは一回1死一、二塁で三遊間の深いゴロを好捕し、攻守で見せた。それでも、「取れる打球が抜ける場面があった。50点」と満足することはない。甲子園で得た自信を胸に、さらに大きな舞台を目指している。【石川裕士】 ◇最終日もライブ中継 ニュースサイト「毎日新聞」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/)と「Yahoo!JAPAN」が運営する「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)で展開する「センバツLIVE!」では、センバツ交流試合の全16試合をライブ中継します。センバツLIVE!は、パソコンやスマートフォンで、いつでもどこでも無料でお楽しみいただけます。勝負の裏側に迫った最新のニュースや写真特集など、試合の情報が盛りだくさんです。センバツ交流試合にどうぞご注目ください。