【いいクルマだったのに!】MR-S、プログレ、iQにマークXジオ!一代限りで終わってしまった名車たち:トヨタ編
トヨタ・ブレビス(2001~2007年)
『小さな高級車』がキャッチコピーのプログレがマイナーチェンジしたタイミングで登場した姉妹車、それがブレビスである。ちなみにこちらのキャッチコピーは『アクティブ・エレガンス』とされ、当時販売されて間もなかった三代目セルシオに似たエクステリアデザインを採用して登場したことが話題になった。 ボディサイズはプログレよりも若干大きく、全長4550×全幅1720×全高1460mm(後輪駆動)、ホイールベース2780mmとなっており、従って3ナンバーサイズとなる。 メカニズムはプログレと共用する部分が多い。エンジンは2JZ-FSE型の3.0L直6直噴(220ps)と1JZ-FSE型の2.5L直6直噴の(200ps)の2系統で、プログレ同様2.5Lには4WD車が用意された。 サスペンションもプログレと同じ4輪ダブルウィッシュボーン式。タイヤサイズはプログレが15インチであるのに対して16、ないしは17インチとなる。当時試乗した印象は、プログレよりも若干固めの乗り味だった。 装備も充実しており、エレクトロマルチビジョン、高級オーディオ(5.1ch対応DVDシステム)、ディスチャージヘッドランプ、パワーアジャスタブルペダル(アクセレータ/ブレーキペダルの前後電動調整)など、至れり尽くせりである。また、プログレと異なる部分として、ブレビスのATはゲート式セレクターを採用していた。 ブレビスもまた、プログレ同様に2007年に販売を終了している。プログレよりも若々しさを感じさせるエクステリア、インテリアのデザインを採用していたが、乗ってみるとごく普通のセダンの乗り味であり、もう少し、FRならではのファントゥドライブを表現できていれば、二代目誕生の可能性があったかもしれない。
トヨタ・マークXジオ(2007~2013年)
車名にマークXが使われているものの、FR(後輪駆動車)ベースのマークX(セダン)とは異なり、FF用の新しいプラットフォームを使った(4WD車もある)ステーションワゴン型の乗用車である。 ステーションワゴン型だが、トヨタでは新コンセプトを謳う。2005年の東京モーターショーで発表されたコンセプトカー『FSC』(フレキシブル・サルーン・コンセプト)を市販化したものなのだ。確かにステーションワゴンにしては背が高いし、ミニバンにしては背が低く、全高の1550mm(FF車)は多くの立体駐車場への入庫を可能にすることを意味する。 また、室内は独立した4つのシートに3列目シートをプラスした『4+Free』コンセプトを採用しており、『セダンモード』、『ワゴンモード』、『ミニバンモード』の3つのアレンジを可能にした。ちなみに2列目が3人掛けの仕様も存在した。 メカニズムはオーリスやブレイドのものを多く使う。パワートレインは2.4L直4+CVTと3.5LV6+6速ATで、前者には4WDも用意された。 マークXジオのコンセプトは悪くなかったが、この時期のミニバン/ステーションワゴンの販売が低迷していたことや、3列目シートが小さすぎて大人が乗るには狭すぎた点が、一代で終わってしまった要因であろう。コンセプト自体はとても良いものだったので、これも非常に惜しい1台だ。