地方こそVCを。名古屋で22年スタートアップ投資を続けて感じる熱量の変化
「教えて瀬戸内VC」なぜベンチャーキャピタルをやるのか
藤田 豪:「なぜベンチャーキャピタルをやったのか」と「いつまでするの?」の2つを聞かせてください。 藤田:(なりゆき・早めに辞めたいのフリップを見せる) 藤田 豪:覚悟がないね(笑) 藤田:そもそも、僕はずっとスタートアップや起業家が好きで応援していました。応援していると、なぜ岡山でスタートアップが生まれないのか、育たないのかという課題が見えてきた。そこから、役割的にベンチャーキャピタルが必要だというところまで辿り着きましたが、誰もやらないんです。 ベンチャーキャピタルを始めるのは難しいし、覚悟もいる。「辞めておいた方がいい」と僕も言われましたし、エンジェル投資の方が良いとか、東京からベンチャーキャピタルを呼んでくる役割のが良いとも。 でも、瀬戸内VCがある未来とない未来では10年後、差分があるはずだ、瀬戸内VCがあることでスタートアップが生まれ、育つはずだという確信があったんです。自分たちが覚悟を持ってやるだけならお安い御用だと思いました。 一方で、ファンドがなくても起業家と一緒にいられるのであれば、別にベンチャーキャピタルをやらなくて良いと思っています。投げ出したりはしませんが、他に僕らのような機能が生まれていくのであれば、それは願ったり叶ったりです。 山田:ほぼ同じことを言っている気がします。 僕は東京でスタートアップにいましたが、岡山に帰って起業家に出会ったときに、この人がもし東京でやっていたらもっと成功するであろう人がたくさんいました。東京に行けと言うのは簡単ですが、簡単にできない人もいる。それを言っちゃうとださいなと思ったので、僕らがいることによってこの地域でエクイティの選択肢を作れるといいと考えました。 いつまでやるかについては、僕らの機能が代替されるものが出てきたら別にすぐ辞めてもいいと思います。逆にそこに何も生まれなかったり、僕らしかできないことがあったりするなら一生やってもいいかな。 藤田 豪:いいコンビですね。全然違う回答だったら、来年2人ともきっと喧嘩してるね。 藤田:最後に一言お願いします。 藤田豪:日本の課題は地方にある。地方に残っている人や戻ってくる人がいて、自分の人生は1回しかないけれど、やるべきことをやろうとしている人がいっぱいいるんです。そういう人たちと一緒に、キャピタリストとしてエクイティという武器を使いながら、地方から日本をもっとよくする。 信頼して資金を預けてくれた人たちがいるので、それを使って、本当に自分たちでやろうとパスを出したり、サポートしたり、やりきっていければいいなと思います。僕自身この仕事をすごくいいと思ってるからこそ、もっとキャピタリストをやる人を増やしたいです。 地方こそスタートアップを、地方にこそベンチャーキャピタルを。日本の課題は地方にあると気付き始めた今こそ、地方にベンチャーキャピタルを作り、スタートアップが生まれ育つ土壌を作る時なのではないだろうか。同時に、地域課題解決に向かって伴走するキャピタリストの存在も大きなものになるだろう。
Setouchi Startup Flag(セトフラ)