「空気が読めない」「正直すぎる」 発達特性を持つ人の会話で起こりがちな問題
他者と自分を切り分ける
発達障害を持つ私が一番と言っていいほど悩んできたのは、人間関係です。人間関係で失敗しないために気をつけていること。それは、他者と自分を切り分けることです。 先日Webニュース専門チャンネルで、私が発達障害を持ちながら子育てをしている様子を密着取材されたものが公開されました。これを、ある媒体が切り抜き記事にして、センセーショナルなタイトルを付けたことからSNSで大炎上。おびただしい数の批判コメントが寄せられました。 コメントの中には、次のようなものが多く見られました。 「うちの母親も発達障害で、子供である自分はとても迷惑をしている」 「ヒステリックな子育てする母親に育てられる子供がかわいそう」 私は、ヒステリックに子供を叱ったことは一度もありません。発達障害だからこそ、自分をしっかり見つめ、できることとできないことを洗い出し、周りに迷惑をかけないためにあらゆる対策を練りながら生活をしています。 これらのコメントをくださった方々が間違いだということではありません。皆さんそれぞれご自身の体験をもとに語られています。しかし、ご自身の体験や考え方が、誰にでも当てはまるわけではないはずです。自分の問題と他人の問題は、切り分けて考えてほしいのです。 なぜそんなことを言うのかというと、私自身がこの、他者と自分を切り分けることがとても苦手だったからです。 相手の問題なのに、自分が課題を解決できないかと踏み込んでしまう。 自分は相手にすべてを包み隠さず話しているのに、相手が私に話してくれなかったことが発覚するとショックで落ち込んでしまう。 何を話すかは相手の自由なのに、勝手に自分と同じだけの熱量を求めてしまう。 このような失敗を繰り返してきたので、他人は他人、自分は自分、と常に言い聞かせるようになりました。それくらいで丁度いいのです。良かれと思ってした行動が、大きな迷惑となってしまうこともあります。他者と自分を切り分けましょう。