<森田成一>「デリコズ・ナーサリー」 ダリ・デリコ役の恐怖と冒険 吸血種の貴族の子育てを絶妙な「さじ加減で」
◇貴族の子育てを演じる難しさ 一筋縄ではいかない
森田さんは、「デリコズ・ナーサリー」のダリ・デリコを演じる上では「子育てに不慣れ」が重要なキーワードとなっていると説明する。第1、2話では、ダリ・デリコたちが血盟議会から命じられた任務“仕事”と、父としての“子育て”を両立させようとするも、任務のための会議を行っているかたわらで、幼い子供たちが泣き出し、父たちがあやす……というようなドタバタとした場面も描かれた。
「一般家庭でも大変な子育てを、一切そういうものは乳母に任せていた貴族がやるとなると、桁違いに大変な話になってくる。そこの面白さは見ていただきたいですし、僕としても演じるのが難しかったところです。“貴族としてのお父さん像”というのが難しい。僕だけではなくて小西くん、下野くん、佐藤くんも苦労していました。収録のディレクションでも、『そこまで子供に寄らないでほしい』『そこまで優しくならない』と言われて、さじ加減を求められました。子供との距離感がなかなか一筋縄ではいかない」
第2話では、仕事中のダリが子供たちに何をしているのか聞かれて「仕事だ」と答えるシーンが描かれたが、森田さんは「子育てに慣れていないことが表れているコミカルなシーン」と語る。
「仕事が何か分からない子供に『これは仕事だ』と言って済ませようとしていること自体が、慣れていない。ダリとしては、子供に寄り添っているつもりなのですが、もし普通のお母さんがその姿を見たら『何をとんちんかんなことを言っているの?』となる。それは、この作品の面白さでもあり、人のおかしみの一つなのかなと」
◇単なる子育て奮闘記ではない アニメに舞台的演出も
森田さんは「デリコズ・ナーサリー」は、「単なる子育て奮闘記ではない」とも語る。ダリたちは慣れない子育てに奮闘する一方で、ちまたで起こっている吸血種を狙った謎の連続殺人事件の調査に追われることになる。