<森田成一>「デリコズ・ナーサリー」 ダリ・デリコ役の恐怖と冒険 吸血種の貴族の子育てを絶妙な「さじ加減で」
森田さんは「デリコズ・ナーサリー」のダリ・デリコ役のオーディションを受けることになり、「やっと吸血種ができるんだ、といううれしさがありました。さらに、この業界にいながら何気に役が来ない貴族。森田成一というと、貴族ではなく大きな剣を振るってバサバサ斬る役みたいなイメージがあるようで。そうじゃないぞという(笑い)」と、これまであまり演じたことがなかった役柄にそそられるものがあったという。
オーディションでは、自身にとっての“冒険”もあった。
「自分のこだわりですね。『俺だったらこうやりたい』みたいなものがあって、コメディーっぽい部分をすごく強調して演じたんです。ダリ・デリコは、吸血種であり貴族という大前提があるので、そこからコミカルというと全く違う路線になってくるので、どうしようかな?とは思ったのですが、『いや、ここは大真面目にコミカルをやったほうが絶対に面白いだろう』と。オーディションで落ちるとしたらそこだろう、逆に落ちなければそこだろうというような賭けだったので、役が決まった時は、とてもうれしく思いました」
ダリ・デリコは、これまでのシリーズでさまざまな俳優が演じてきたが、森田さんは「そこに引っ張られるのではないか?という恐怖があったので、役が安定するまでは(舞台シリーズを)見るのはやめよう」とあえて目を通さなかった。
「ものすごく熱狂的なファンの方たちがいらっしゃるシリーズですから、その方たちのダリ・デリコのイメージがある中で、全く違う人間が演じるダリ・デリコがやってきましたと“異質な転校生”がやってくるわけですから、その恐怖感は大きかったです。ただ、『僕だったらダリ・デリコをこう演じる』ということを自信を持ってやりたかった。実際、後になって過去シリーズを見たら、僕が演じるダリ・デリコの解釈とそんなに差異が見られず、共通項もたくさんあったので、ほっとしましたし、うれしかったです」