樋口恵子 介護保険を利用したら情報収集の必要性に気づかされ…「老い」をできるだけ豊かに生きるための<人生2度目の義務教育>のススメ
厚生労働省が公表している「令和4年簡易生命表」によると日本の平均寿命は、男性が約81歳、女性は約87歳だそう。それもあって91歳で評論家として活躍している樋口恵子さんは、「これからはおばあさんだらけの時代になる!」と宣言中。その樋口さん「介護保険を利用した際に、情報収集の必要性にあらためて気づかされた」そうで――。 【書影】時代のトップランナーとして走るヒグチさんの「ヨタヘロ」と「ときめき」の逸話の数々がここに!『91歳、ヨタヘロ怪走中!』 * * * * * * * ◆要介護認定を受けて 私、このたび要介護認定を受けました。 結果は「要支援1」。寝起きするベッドの周辺2カ所と玄関の出入り口、わが家の要所というべき通路に「手すり」が設置されました(2023年7月設置)。このところ、「ぶらぶら病い」という日々を過ごしておりますが、おかげさまでようやく「気力回復」という気分になりました。 だらしなくて申し訳ありませんが、これが「91歳」女性の老いの「現実」の一面です。 気力回復と同調するように、私の活動能力とこれまでの住宅のあり様が、私の身に合わなくなっていたことを感じました。あるときは同衾(どうきん)している猫に遠慮するあまり、私が猫のかわりに床に落っこちたり。 今回はベッドサイド、玄関、門扉からのアクセスなどに安定した手すりをつけること。とくに玄関、ベッド回りなど、体位を支える支柱と手すりを、合計(戸外を含めて)5本設置しました。
◆あらためて気づいた 介護保険を利用してみて、情報収集が必要なことにあらためて気づきました。 私たち高齢者は、日本の国の制度に従って医療はじめ福祉の利用範囲などが変わります。 たとえば、後期高齢者医療制度によって、私のように75歳以上の高齢者は、保険料は安く、医療費も定額ですむ料金体系になっています。 私は77歳のとき、生まれて初めてという大病(大動脈瘤感染症)を病み、運よく名医の揃った病院へ運び込まれ、大手術の結果、生命を取り止めました。 「高齢社会をよくする女性の会」など、高齢女性の視点からの政策提言は、それまでの20年余の会の活動があってこそできたことです。
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