なぜ名門ウィリアムズが失態?2019年のF1に混乱を招いているレギュレーション変更の是非
2019年シーズン開幕へ向けて、F1が動き出した。2月中旬に各チームが続々とニューマシンを発表。2月18日(月)から合同テストがスペイン・バルセロナでスタートを切った。 そんな中、テスト初日に姿を現さなかったチームが出た。F1界でフェラーリ、マクラーレンに次いで長い歴史を持つ名門のウィリアムズだ。 「残念ながら、私たちは火曜日の朝までテストのスタートを遅らせなければならなくなりました」(クレア・ウィリアムズ副代表)。 理由は、テストで走らせるためのニューマシンの製作が間に合わなかったからだ。 「私たちは新しいシーズンに向け、新車『FW42』を完成させるために忙しい冬を過ごしてきましたが、準備が整うまでにはもう少し時間が必要です。でもテストは残り7日間あります」 しかし、翌日ウィリアムズは「早くとも水曜日までコース上を走る可能性は極めて低くなりました」と、2日目となる19日(火)にもテストに参加しないことを発表した。 なぜ、ウィリアムズのような名門チームが、開幕戦まで1カ月を切ったこの段階になっても、ニューマシンの完成が間に合わないという状況に陥ってしまったのだろうか。その最大の理由は、マシンを製作するための基本的なルールとなるテクニカルレギュレーションが変更されたからだった。 レギュレーションの変更は2年前にも実施された。このときはドライバーからの反対はあったものの、マシンを製造するチームはレギュレーションを制定するFIA(国際自動車連盟)の提案を早くから受け入れていた。 ところが、今回のレギュレーション変更に関しては、賛成と反対が真っ二つに分かれ、なかなか話がまとまらなかった。そこでFIAは数チームの反対を押し切り、レギュレーションを変更するための最終期限となった2018年の4月末に強行採決に踏み切ったほどだった。 つまり、2019年のマシンを製造するために残された時間は、1年を切っていたのである。それが多くのチームの混乱を招く原因となった。特に影響が大きかったのが、財政的に厳しいチームだった。