動脈硬化や高血圧のリスクを下げる〈もずく〉 種類と簡単レシピを紹介
近年の研究で、脳と腸の密接な関係「脳腸相関」が解明されるなど、腸への関心は高まるばかりです。消化器専門医である江田先生いわく、海藻は腸内細菌に優れた影響を与え、健康効果につながるとのこと。そこで、料理家の井澤さんによる、さまざまな海藻をまるごと使えるレシピ本『腸活のスーパーフード まるごと海藻レシピBOOK』より、一部抜粋してご紹介します。今回は、海藻がもつ植物性たんぱく質の効果と、ミネラルを豊富に含んだ昆布による美味しいだしの取り方について。今回は、もずくについて。もずくが持つ魅力とは――(取材・文/川越光笑、撮影/宮濱祐美子) 【書影】低カロリー・サスティナブル・生活習慣病予防・食物繊維な海藻の魅力が分かる1冊『腸活のスーパーフード まるごと海藻レシピBOOK』 * * * * * * * ◆もずくの名前の由来は… ほかの海藻に付着して成長することから「藻付(もづ)く」と呼ばれるようになったのが名前の由来。海藻のほか、岩に着生する品種もあります。 ヌメリがあってやわらかく、生で食べられるのが特徴です。 現在、一般的に市場に出回っているのは、養殖のオキナワモズクがほとんどですが、「もずく」や「太もずく」と表記されることが多いよう。 さらに、絹糸のように繊細でなめらかな「細もずく」、希少な天然の「岩もずく」もあります。 ヌメリ成分である多糖類のフコイダンの含有量は、藻類の中でもトップ。 フコイダンは血液中のコレステロールを取り込んで排出し、動脈硬化や高血圧のリスクを下げるといわれています。
◆もずくの種類 ●もずく(太もずく) 全国に流通するもずく製品の大半はオキナワモズク。フトモズクという別種も存在するが、本書では単に太めのもずくのことを指す。酢の物はもちろんのこと、プリッとして食べごたえがあるため、天ぷらなどにも向く。 ●細もずく 一般的なもずくより細く上品でのどごしがよい。ヌメリが強く、トロッとした口当たり。加熱調理はせず、生で食べるのがおすすめ。 ●塩蔵もずく 写真は、新潟産の天然岩もずくを塩蔵加工したもので、長期保存がきく。極細でシャキシャキとした食感は、一般的なもずくとは別物。しっかり塩抜きをしてから食べる。 ●パックもずく めかぶと同様、食べ切り用の少量パックも豊富。三杯酢や黒酢などの味つきが多い。 ●乾燥もずく もずくを乾燥して板状にした加工品もある。戻し方は太さなどで異なるため、袋の表示に従って行うこと。
◆もずくの簡単レシピ やわらかい食感のもずくは、汁物に加えるとほんのりとろみが出ます。 ふんわりした卵と合わせてやさしいスープに。 ●もずくのかき玉汁 【 材料と作り方(2人分) 】 小鍋にだし汁360mlを入れて温め、しょうゆ小さじ1/2~1、塩小さじ1/2で調味する。 もずく80gを加えてひと煮立ちさせたら、溶き卵1個分を少しずつ加えて火を通す。 ※本稿は、『腸活のスーパーフード まるごと海藻レシピBOOK』(家の光協会)の一部を再編集したものです。
井澤由美子,江田証