モットーは「コートに立ったら試合を楽しむ」(後編)今季のキングスにネガティブな要素は1つもない(Wリーグ・琉球ゴールデンキングス 岸本隆一)
── 今シーズンも岸本さんがキングスを引っ張っていく存在であることに変わりはないと思います。その中でもっとここを向上させたいとか、選手としてこういう能力がほしいと思うものはありますか。 うーん、なんだろう。言葉にするのは難しいし、言葉にしても多分うまく伝わらないような気がするんですが(笑)。今の自分は『自分がやりたいことを引く』という段階にいると思うんですね。たとえば1つのゲームの中でチームがやりたいことと自分がやりたいことが重なったときにいいパフォーマンスができます。逆に言えばその2つのバランスが崩れるといいパフォーマンスはできません。そのことに自分はすごくストレスを感じるタイプなんです。だから、チームがやりたいことと自分がやりたいことが一致しないと感じたとき、うまく自分を引く、自分がやりたいという感情をうまく逃がす、そういう能力がほしいですね。どちらかというと感覚的な話なので理解してもらえるかどうかわかりませんが。 ── いえ、言わんとすることはわかるような気がしますし、それを心に留めて今シーズンの岸本選手のプレーを見てみたいと思います。間もなく開幕する今シーズンへの意気込みを聞かせていただけますか。 大きなところで言えば、やるべきことを一つひとつちゃんと積み重ねていきたいと思っています。試合の勝ち負けだけにとらわれるのではなく、うまくいったこともいかなかったことも自分たちの良い経験にして、そこからまた一歩先にみんなで進んでいけるようなチームになりたいです。もちろんやるからには優勝を目指すのは当然のことですが、そのほかにも天皇杯とかEASLとか狙えるタイトルは全部狙っていきたいですね。 ── 今シーズンはアソシエイトヘッドコーチとして佐々宜央さんがチームに加わりました。佐々さんは2017-18シーズンから2019-20シーズンの途中までキングスのヘッドコーチを務めていたこともあり、今回のカムバックは心強いのではないですか。 はい、ものすごく心強いです。わからないことは何でも聞きに行ける安心感もありますね。一緒に協力して優勝を勝ち取りにいきたいです。 ── 今シーズンの話をする岸本さんの顔、とてもいきいきしていますね(笑) えっ、そうですか?顔に出ちゃってますか(笑)。今シーズンは主力選手が抜けたことを心配する声もありますが、さっきも言ったように本当にいい雰囲気の中で練習に取り組んでいるのでネガティブになる要素は1つもありません。40分の試合の中でもそうですが、戦う試合ごとに印象が変わるチームになれると思っているので、ファンのみなさん、どうか期待していてください。僕自身も成長できるシーズンになりそうだと楽しみにしています。
松原貴実