なぜ大谷翔平がマークした9勝目をエ軍のマドン監督は「私が見てきた中での最高投球のひとつ」と絶賛したのか?
エンゼルスの大谷翔平(27)が3日(日本時間4日)、本拠地アナハイムで行われたレンジャーズ戦に「2番・投手」の“リアル二刀流”で出場し、7回を7安打2失点、8三振2四球で8連勝となる9勝目を挙げた。8月28日のパドレス戦で受けた死球の影響で登板を延期していた大谷は初回にピッチャー返しを右手親指に受けたが、そのまま続投。2回にジェイソン・マーティンに同点2ランを浴びるも、それ以降、得点は許さず、7回に二死一、二塁のピンチを迎えたが、アイザイヤ・カイナーファレファを160キロのフォーシームで一ゴロに打ち取り、ベースカバーに入った大谷は右手を突き出し雄叫びを上げた。メジャー自己最多の117球を投じ1点のリードを守り7回を投げ切った。1918年のベーブ・ルース以来の「2桁勝利、2桁本塁打」の快挙に王手。打者としては4打数0安打、1三振だったが、全米メディアは、そのピッチング内容を称賛。エンゼルスのジョー・マドン監督は「最高の投球のひとつ」とまで称えた。
「エリートレベルの速球を見せる」
「大谷が9勝目。100マイル(約161キロ)に2度到達」との見出しを取って詳しく報じたのはMLB公式サイトだ。 「二刀流スーパースターの大谷がレンジャーズ相手にキャリア最多となる117球を投げ、必要とされたときにはエリートレベルの球速を見せ、9月に入っても疲労と無縁であることを見せつけた」と伝えた。 記事は「大谷は4月4日のホワイトソックス戦以来、初めて100マイル(約161キロ)以上の直球を2度投じた。そしてエンゼルスに3-2の勝利をもたらすため、最後の7回のピンチを脱するためカイナーファレファに対して99マイル(約159キロ)の直球を3球投げた」と、その球速にフォーカスした。 161キロを2球マークしたのは4回。一死二、三塁のピンチで、同点2ランを浴びたマーティンと対戦して161キロのストレートで空振り三振、続くタベラスも161キロで一塁ゴロに打ち取っている。 同サイトによるとマドン監督は「とても力強かった。彼は前回(8月18日のタイガース戦で)84球しか投げなかったからマウンドに残すこと(続投)について良い感触を持っていた。大谷は、たくさんのストライクを投げた。相手は彼の投球をうまく捉え、ホームランを打ったが、大谷は良い球を投げ、狙ったところへ投げる制球が素晴らしかった」と絶賛。さらに大谷の球速について触れたという。 「97マイル(約156キロ)、98マイル(約158キロ)を多く投げて(最速は)100マイル(約161キロ)になった。彼はとても良い直球を投げていたと思う。相手はカットしてファウルするので精一杯だった。スライダー、カーブ、スプリッターも良かった。打者を攻め狙ったゾーンに投げていた。私がこれまで(大谷を)見てきた中で、最高の投球のひとつだった」 マドン監督がエンゼルス指揮官に就任して2年。その中でベストピッチングの一つと評することのできる投球内容だったという。被弾はしたが、スピード、制球、そして球数。すべてに非の打ち所がなかったからだ。