大谷翔平がエンゼルスと2年850万ドル(約8億9000万円)で契約合意し調停回避
エンゼルスの大谷翔平(26)が2年850万ドル(約8億9000万円)で契約合意したことが8日(日本時間9日)、明らかになった。USAトウデイのボブ・ナイチンゲール記者やMLBネットワークのジョン・ヘイマン記者ら複数のメディアが速報で報じ、その後、球団からの正式アナウンスがあった。 大谷は、今オフに年俸調停権を取得して、1年330万ドル(約3億4000万円)を希望、対する球団の提示額は250万ドル(約2億6000万円)で19日にも公聴会が行われる予定だった。両者の希望額には開きがあったが、球団サイドが歩み寄り、大谷サイドの希望額以上の条件を提示して合意、調停決着は回避されることになった。 大谷は2017年オフに日ハムからポスティングによってエンゼルスに移籍したが、メジャーの労使協定によりプロ経歴5年で23歳だった大谷はインターナショナル・ボーナス・プールの契約対象選手となったためマイナー契約しか結ぶことができず、1年目の年俸はメジャー契約に切り替わってもメジャー最低年俸となる54万5000ドル(約5700万円)に抑えられていた。年俸調停権を得る3年目までは大型契約を勝ち取ることができず、2年目は65万ドル(約6800万円)、3年目の昨年は70万ドル(約7300万円)だった。ただ昨年は新型コロナの影響でレギュラーシーズンは60試合しか開催できなかったため、実質は26万ドル(約2700万円)しか手にできていない。 年俸調停権を得た今オフには、メジャーでも異例の“二刀流”に対しての大型契約の延長が期待されたが、2018年にトミー・ジョン手術を行い、投手として復帰した昨年は2試合目の登板で右前腕筋の故障を発生した。打者専念のシーズンとなり、成績も打率.190、7本塁打、24打点と、満足のいく結果を残すことができなかった。 そのことから複数の米メディアは、「故障の不安を考えると大きな契約にはならないだろう」と予想。300万ドル(約3億1000万円)程度で決着するとの予想記事もあった。だが、一方で「エンゼルスは二刀流選手をどう評価するのか」との見方もあり、年俸調停の行方に注目が集まっていた。 大谷の”二刀流”続行の方針を認めているエンゼルスは、大谷の”二刀流”の価値と、その可能性を評価し、大谷サイドの要求額以上の金額を提示して調停を回避したものと考えられる。