選手権8強、NBC in 堺ユースフェスの経験で基準を上げた名古屋が予選連覇、プリンス昇格に挑む
[7.20 NBCin堺ユースフェス予選リーグ 名古屋高 0-2 流通経済大柏高 J-GREEN堺] 【写真】伊東純也ら日本代表トリオがパリ観光! サングラス&私服姿に「三つ子みたい」「まじで顔小さい」 この日、指揮を執った大久保隆一郎ヘッドコーチは、「昨年のことを引きずっている子はいないくらいに言ってきた。今年のチームでまた選手権に行けるように」と語る。名古屋高(愛知)は、今年1月の全国高校選手権に初出場し、ベスト8。1回戦で注目校の日章学園高(宮崎)をPK戦で破ると、北海高(北海道)、前回優勝校の岡山学芸館高(岡山)も下し、文武両道の進学校が旋風を巻き起こした。 右SB太田陸斗(3年)ら当時のメンバーを複数残すが、今年は今年。札幌へ進んだMF原康介をはじめとした先輩たちは、もういない。自分たちの力で再び全国舞台に戻るため、「去年あそこまで行ったからこそ、それを今年のチームに上手く還元していかないと意味がない」(MF田口想太主将、3年)と選手たちは選手権で学んだ基準をチームで共有。躍進の原動力となった粘り強い守備や速攻、セットプレーに加え、ビルドアップなどの積み上げを目指してきた。 重圧の中で戦ったインターハイ愛知県予選は決勝進出したものの、東邦高に0-2で敗戦。冬夏連続で全国大会に出場することはできなかった。チームは現在、「ニューバランスカップ(NBC) in 堺ユースサッカーフェスティバル(2024)」に参戦中。大会初戦では、プレミアリーグEASTで首位争いを演じている流通経済大柏高(千葉)と戦った。 相手は愛知県1部リーグの自分たちよりも、2つ上のカテゴリーに所属する“格上”。また、年代別日本代表や高校選抜候補、プロ注目選手を擁するタレント軍団との戦いだった。苦戦が予想されたが、名古屋は押し込まれても相手の正面に立ってゴールを隠して守ることやプレスバックすることを徹底。CB井上款斗(3年)やCB伊藤瑠晟(3年)が高い守備能力を発揮し、期待のGK定本翼(2年)が好セーブを連発するなど強敵に食い下がって見せる。 また、左SH川瀬陸(3年)は個の力で自陣から敵陣PAまでドリブル。大久保ヘッドコーチは「ぶち抜いてるシーンがあったんで。このレベルの相手にああいうプレーができると、もっともっと引き出してあげなきゃいけないことはたくさんあるなと思いました」。強敵相手にもやれる力があることを確認する試合になった。 大久保ヘッドコーチは「構えることなく、ビビらずやれていたのは、良かったけれど」と評価していたが、自分たちがやりたいことを十分に表現できた訳では無いという。繋いで攻めることに取り組んできたが、なかなか経験することのできない速さのプレスに苦戦。それでも、再び全国大会に出て、活躍するためには公式戦でこのレベルのチームと渡り合い、勝ち切らなければならない。 主将の田口は、「競り合いのところとか、一瞬でゴールまで行かれるところだったり、相手の方が上手かった」と感想を口にし、「ほんとにこのレベルでやらないと、もちろん県も、その後の全国勝っていけない。競り合いのところとか球際のところは、自分たちのチームでも意識はして練習やってるけど、それでもまだまだ足りないっていうのは感じます」と引き締めていた。 テクニック、アイディアに自信を持つ田口は普段から会話を増やして自分の考えを伝え、合わせていく作業を実行中。今回、全国トップレベルの相手と戦った経験を忘れず、伝え合い、チームの強化に結びつける。「やっぱりこの基準を練習でも求めていかないと、上がっていかない」(田口)。目標は選手権予選連覇とプリンスリーグ東海昇格。「ニューバランスカップ(NBC) in 堺ユースサッカーフェスティバル(2024)」で基準を上げた名古屋が、目標を達成するために成長を遂げる。