「記憶がおぼろげな世代、知らない世代をどう育てていくか」 これからの震災伝承を考えるセミナー 岩手・大槌町
IBC岩手放送
6日、東日本大震災の教訓を後世に伝える語り部が効果的な伝承や発信を考えるための研修が岩手県大槌町で開かれました。 これからの語り部の活動にとって必要なこととは? 【写真を見る】「記憶がおぼろげな世代、知らない世代をどう育てていくか」 これからの震災伝承を考えるセミナー 岩手・大槌町 (セミナーより) 「小学生中学生は震災が歴史の一部と化してしまって、震災も織田信長も徳川家康も同じになってしまって、その子供たちにどうやって教えるのか」 6日、大槌町で開かれた震災語り部を集めたこの研修は、担い手の育成や、活動を継続するための課題解決などを目的に県が開いたもので、岩手県内や宮城県の語り部およそ40人が参加しました。 年が明ければまもなく震災の発生から14年が経ちます。 震災語り部は、当時の経験を伝えたり聞く人に防災意識の向上を促したりするため、活動を続けてきましたが、今、高齢化や人材難という課題を抱えています。 「普段活動をやってる中で、ボランティアの側面もある。ボランティアっていうのは活動していく上で必要なことなのかどうなのかボランティアの是非についても話題があがりました」 「県以外の方も地域の方も含めて、誰でも語っていいものではないのかな。そうすることでプレーヤーが増える。もっと若い世代が震災を語っていけるのではないか」 研修での意見交換では、震災伝承のあり方について熱心な議論が交わされました。 (女性語り部) 「義務教育の中に上手に自然に組み込むのがいいんじゃないか。要するに教科書」 研修に参加した語り部の中にひときわ若い女性の姿がありました。 (五十嵐蘭さん) 「一番大事にしたいのは身近にいる町内の子供たちっていうのは力を入れて教えてってあげないとなって」 大槌町出身で、震災伝承に取り組む町内の団体で4年前から語り部の活動に携わる五十嵐蘭さん26歳です。 五十嵐さんは中学1年生の時に震災を体験しました。 津波で家が全壊し、父方の祖父母と母方の祖母を亡くしました。 (五十嵐蘭さん) 「語らないじゃないですか、みんな。今なんか、月日が経ってくると語りたくても語れない人がいるというのも分かるので、そこを私たちが伝承活動をしている団体だからこそ補ってあげられればいいのかな」