言葉が爆発的に増える時期を見逃すな!子どもの語彙力のために親ができること
子どもの語彙力のために親ができること
子どもの”語彙力”、意識したことはありますか? 日常の会話はもとより、「国語」「算数」「理科」「社会」……すべての勉強の土台となる“語彙力”。最近は中学入試でも記述式の問題が増える傾向にあり、ますます注目されています。 「ヤバい」ばかりで心配…子どもの語彙力が急上昇する、今すぐできる「簡単会話ゲーム」3選 日本語研究の第一人者、齋藤 孝先生による書籍『親子で楽しく考える力が身につく! 子どもの語彙力の育て方』は、日々の会話の中で簡単にトライできる「語彙力アップゲーム」や「声かけ」を、漫画やイラストを交えながらわかりやすくまとめた一冊。 今回はその中から、親子の信頼関係にもつながる、「子どもの語彙力のために親ができること」をご紹介します!
ほめて笑って一緒に楽しむ
親が子どもと一緒に取り組む際に大事なのは、ほめること。これは私が大学生に授業をする中で気づいたのですが、指導のキモは、できないところを指摘して底上げするのではなく、いいところ・できているところを指摘しまくってほめまくることなのです。ほめる機会を増やすことが最大の指導であり、能力を伸ばす究極の方法であると思っています。 大学では教員を目指す学生たちの授業を受け持っているのですが、その中で『源氏物語(げんじものがたり)』や『徒然草(つれづれぐさ)』の内容をコントにする課題を出して、発表してもらっています。 初めは「そんなの作れないですよ……」と言っていた学生たちも、課題をこなさなければ単位がもらえないので、必死に取り組みます。すると、「できない」と言っていたはずの学生たちが、ものすごくおもしろいものを作ってきます。「ショートコント 徒然草」というタイトルで、仁和寺(にんなじ)の法師のコントを演じた学生がいたのですが、見事に爆笑をさらいました。 おもしろいかおもしろくないかは、実は副次的なことです。大事なのは、人前でコントをするという勇気。その勇気に敬意を表して、私だけはどんな発表でも爆笑することにしています。「すばらしい!」「最高だよ!」「エクセレント!」と拍手しながら大笑いするのです。 それによって学生たちは、自分のアイデアが受け入れられたという安心感を持ちます。その安心感がさらなるチャレンジを生むのです。だから、ダメ出しはナシ。特に、子どもの答えにはダメ出し厳禁です。ダメ出しは勇気をくじき、不安を生み出すだけです。 また、子どもとのゲームでは、一緒に笑いあうことも重要です。ふざけた答えを言って「何それ!?」「くだらない~!」と笑い、楽しくなってワクワクしてくる感覚が、コミュニケーションのゲームにはとても大切なのです。こうして遊びながら、楽しみながら、語彙力を育んでいってほしいのです。