【MM Another Story:「Turbo」はやっぱり特別だ!】シリーズの頂点「ポルシェターボ50周年」をル・マン24時間レースとともに振り返る
新しい時代にあって、Turboは再定義される
思えば、ちょうどこの年に登場したタイプ997の911ターボは、VTG(可変タービンジオメトリー)を用いたツインターボエンジンを搭載して、事実上ターボラグゼロを実現していた。要するに、この時に至ってターボラグなるものは完全に解消されていたわけである。 実際、続いて乗った2010年式のパナメーラターボでは、むしろ低速域の分厚いトルク、精緻なレスポンスが印象的だったほどだ。さらに、最新の911ターボに乗れば、扱いやすさとトップエンドの炸裂感の絶妙なブレンドぶりに感心させられることになる。 そして、そうした全域スムーズかつ力強いパワー感が最終的に結実したのが、最新のBEVであるタイカンターボ。そんな風に評することができるかもしれない。 ここに来てポルシェは、「ターボ」の存在を再定義するかのように動いている。昨年には、専用色「ターボナイト」を、クレストエンブレムをはじめとする各部に採用すると発表した。今後は動力性能、テクノロジーだけに留まらずエクスクルーシブ性という面においても、その特別感をより強固にアピールしていくつもりだろう。 カレラだってターボなのにとか、電気自動車にターボって?などとは、もはや言わせないためにも。 今後は、BEVを含む新しいターボモデルが続々と上陸してくるはずだし、本命911ターボの登場だって控えている。さらに言えば、来年のル・マン24時間レースでも、ポルシェはきっと勝てるマシンを用意してくるだろう。 ポルシェの「ターボ」が今後、改めてその存在感を強めてくることは、どうやら間違いなさそうだ。(文:島下泰久 写真:ポルシェジャパン)
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