「本当に気分が悪い」ドローン偵察で”勝点6剥奪”のカナダ女子サッカー、東京五輪の金メダルも”汚れた”ものか 協会が徹底調査へ【パリ五輪】
五輪女子サッカーの前回覇者カナダが揺れている。 ニュージーランド女子代表はカナダとの今大会初戦の4日前、練習中に不審なドローンが上空を飛んでいるとして、当地サンテティエンヌの警察に報告。2日後の24日、カナダ代表の2人のスタッフ──アシスタントコーチのジャスミン・マンダーとアナリストのジョセフ・ロンバルディ──が警察に拘束された。英紙『ガーディアン』などが報じている。 【画像】エアコンなしの質素なデザイン? パリ五輪選手村の全容をチェック 2人は即座にカナダへ送還され、関与を全面的に否定していたベブ・プリーストマン監督も初戦のベンチ入りを辞退した後、「新たな疑惑が浮上」(カナダ五輪委員会:COC)したため、停職処分となりフランスを去っている。今大会期間中は、アシスタントコーチのアンディ・スペンスが指揮を執ることになった。またFIFA(国際サッカー連盟)が、プリーストマン監督ら3人に1年間の出場停止処分を課し、カナダに対しては今大会での勝ち点6の剥奪処分を言い渡している。 「我々のもとに届いた情報のなかには、東京五輪でのパフォーマンスを汚すようなものがある」とCOCのデイビッド・シューメーカーCEOは会見で話した。 「カナダの五輪史上最高の瞬間のひとつに疑惑が持ち上がってしまった。今は本当に気分が悪い。だがカナダ・サッカー協会は東京五輪を含め、徹底的に調査する」 2020年10月からカナダ女子代表を率いていた38歳のイングランド人監督は3年前の東京五輪で、ブラジルやアメリカ、スウェーデンを退けて、チームを史上初の金メダルに導いた。その過程で指揮官の戦術的手腕が高く評価され、2021年には国際サッカー歴史統計連盟から女子サッカーの年間最優秀監督に選出されている。 しかし今回の疑惑により、過去のすべての栄光に泥が塗られる可能性が浮上している。 「選手たちのために、心からお詫びしたい。カナダの皆様、ごめんなさい。カナダは私が恋に落ちた国であり、今では私の国でもあります」 プリーストマン監督は弁護士を通じて、上記の声明を発表した。 しかし、シューメーカーCEOは「彼女(プリーストマン監督)が関与していたのは間違いないとの結論に至った」と明かし、カナダのスポーツ大臣カーラ・クルトラフは「ドローンを使って相手チームの非公開練習を調査することは不正行為です」と発言。プリーストマン監督と彼女に率いられたカナダ代表の偉業は、汚れたものだったのだろうか。 激震が走るなか、チームはニュージーランドとフランスを破って2連勝を飾り、勝ち点6を剥奪されながらもグループ突破の可能性を残している。第3戦のコロンビア戦に勝利すれば準々決勝進出が確定するが、果たしてカナダの真の実力はいかに。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]
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