【試乗】MINIクーパー 5ドアのエントリーモデル「C」の仕上がりに驚いた。唯一無二の個性的な乗り味は「上質さ」を手に入れた
インテリアの進化には驚き! リアシートの居住性も向上。
新型MINIクーパー5ドアは、3ドアと同様、インテリアに大革命が訪れました。直径240mmの円形有機ELセンターディスプレイを採用したインパネ部分は、これまでのMINIらしい雰囲気を残しながら、デジタル化が急速に進んだ印象です。運転席メーターは廃止され、代わりにヘッドアップディスプレイを標準装備し、速度計や運転支援の動作状況などを、そこで確認するようになりました。 またセンターコンソール部分も大きく変更されました。インフォテインメントのコントローラーが廃止されたほかギアシフトはトグル式に変更されインパネ部分へ移設されたことで、センターコンソール部分には大きなオープントレーが設置され、ユーティリティ性が格段に向上したように思います。 気になるリアシートですが、ホイールベースは先代と同じ2565mmとなりますので、居住性は変わりません。しかし、先代のようにドリンクホルダーがリアシートにくっ付くように配置されることはなく、きちんと3人乗車が可能なレイアウトへ変更されたことで、左右の足運びが格段にスムーズになりました。 ラゲッジルームは275Lと、先代モデルよりも3L減となりますが、およそ変わらぬユーティリティ性を確保していると言えます。何より、6:4分割可倒式リアシートを活用することで最大925Lのラゲッジルーム容量を実現しているところは5ドアならではと言えます。
パワーアップが図られた新型のパワートレーン。走り味はMINIそのもの。
遅くなりましたが、試乗に入ります。今回お借りしたモデルは新型MINIクーパー 5ドアの中でもっともリーズナブルなモデル「C」です。1.5L直3DOHCターボエンジン「B38A15P」は最高出力156ps、最大トルク230Nmを誇ります。これは先代に搭載された「B38A15」よりも同20ps/30Nmのパワーアップが図られており、その進化ぶりが期待されます。 走り始めて驚いたのは、その静粛性。タイヤのパターンノイズやパワートレーンから発生するノイズレベルが先代と比べて大きく低減している印象でした。とくにエンジンのアイドリングストップ&スタート機能による再始動時のノイズ、そしてバイブレーションが相当抑え込まれていました。 速度を増していくと、先代よりもとくに低回転域でのトルクが太くなった印象で、パーシャルでアクセルペダルを踏み続ける加速に対しては、力強さが増しており、日常走行においてパワー不足を感じる機会はありませんでした。 乗り心地に関しては、ハッキリと硬く、常にガチっとした「剛性感」を感じることができます。MINIの可愛らしいルックスから想像するよりもずっと硬派で、BMW色の強い(すなわちドイツ車ぽい)走り味が特徴です。ただし先代モデルよりも、ひとクラス上質になった雰囲気は、この走りからも感じることができました。 高速道路へ入ると、さすがにロードノイズも大きくなり、ゴォーゴォーとタイヤからの音が車内へ響くようになります。が、それは先代のそれと比べるとハッキリと静かであり、同セグメントのライバル勢と比べても同等レベルであるとお伝えすることができます。 直進安定性はさすがMINIで、ビタっと路面にへばりつくような所作は、エントリーモデルの「C」であっても感じることができます。ひとたびレーンチェンジでハンドルを切ると、スパッとノーズの向きが変わる「ゴーカートフィール」を体感することができます。運転する楽しさ、を全面的に感じることのできる仕上がりです。
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