1人暮らしをしていた80歳の母が老人ホームへ行くため、実家が空き家に。放置しておくと固定資産税が高くなると聞きましたが、本当でしょうか?
両親が高齢になったことで、実家を空けざるを得なくなり、どうすればよいのか悩んでいる方もいるはずです。特に、固定資産税が大幅に上がるという話を聞き、不安に感じている方もいるでしょう。 住宅には固定資産税の減税措置がされていますが、条件に当てはまる空き家の場合、この措置が受けられなくなる可能性があるのです。 本記事では、空き家を放置すると税金が高くなる理由や放置するリスク、放置しないための対策を解説します。 ▼亡くなった母が私名義で「500万円」を遺してくれていた! 名義は自分でも「相続税」はかかる?
空き家のままにしていると税金が高くなるのはなぜ?
不動産には、固定資産税が課せられています。しかし、アパートや住宅など人が住むために利用されている土地の場合は、住宅用地特例が適用されて、固定資産税は表1のように減税されるのです。 表1
出典:国土交通省「空家法とは」を基に筆者作成 以前までは空き家も減税対象でしたが、空き家が放置されることによる安全面や衛生面、防犯面への悪影響から、「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)」が制定され、条件に当てはまる場合は住宅用地特例が受けられなくなりました。 そのため、空き家のまま放置しておくと固定資産税が最大6倍になる可能性があります。 ■固定資産税の軽減措置が受けられなくなる可能性がある空き家の特徴 固定資産税の軽減措置が受けられなくなる可能性がある空き家は、市区町村から「特定空家」や「管理不全空家」と指定され、指導・勧告を受けた家です。国土交通省によると、特定空家と判断されるのは、以下のような状態の空き家です。 ・そのまま放置すれば倒壊など著しく保安上危険となるおそれがある状態 ・そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれがある状態 ・適切な管理が行われておらず、それにより著しく景観を損なっている状態 ・その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態 また、管理不全空家は、窓が割れている、雑草が生い茂っているなど、放置し続けると特定空家になるおそれがある家とされています。 管理不全空家や特定空家は、市区町村から改善の指導を受けたにもかかわらず、従わずに勧告を受けてしまった場合に、固定資産税の軽減措置が受けられなくなります。