「え?」思わず声出たわ…ホンダで「N-BOXの次」に売れてるクルマの内装に驚いた
● ミニバンブームは1994年頃から始まった こんにちは、AD高橋です。 2024年6月に3代目へとフルモデルチェンジしたフリード。その歴史を紐解くと、2001年12月まで遡ります。この年に登場したコンパクトミニバンの「モビリオ」がフリードの元祖になります。 1994年10月に登場したオデッセイ、そして1996年5月に登場したステップワゴンが牽引したミニバンブーム。2000年10月にはスポーティさを追求した5ナンバーサイズのコンパクトミニバン・ストリームが登場しました。モビリオはホンダの4モデル目のミニバンで、ストリームよりも小さいながら、スライドドアを備えていることが特徴でした。 ルックスはヨーロッパの路面電車をモチーフにしていて、センタータンクレイアウトの採用により小さいながらも広々とした室内が特徴でした。フロントドアは狭い場所でも乗り降りがしやすいよう、開けた時に上部のほうが大きく斜めに開く構造になっていました。 しかも小さいのに3列目に大人が座ることもできることも驚きでした。 モビリオが登場した後、トヨタからはシエンタ(2003年9月)、日産からはキューブキュービック(2003年9月)が登場。さらにストリームのライバルモデルとしてトヨタ ウィッシュ(2003年1月)が登場。日産は1980年代にコンパクトミニバンのプレーリーをラインナップしていて、プレーリージョイ、プレーリーリバティ、リバティと進化させ、2004年12月にラフェスタをデビューさせました。マツダは1999年4月からファミリアをベースに開発したプレマシーを販売していました。スバルはミニバンのイメージが薄いですが、2001年8月にはオペル ザフィーラのOEMモデルであるトラヴィックを発売しました。
● 20世紀末のミニバンブーム、生き残ったコンパクトミニバンはフリードとシエンタだけ このように90~00年代にかけてさまざまなコンパクトミニバンが登場しましたが、現在まで残っているのはフリードとシエンタの2モデルのみになります。生き残った理由を考えると、スライドドアで利便性を高めていることと、3列目シートに快適とまではいかなくても大人が座れるだけのスペースが確保されていることが挙げられます。 実は初代シエンタはこの条件を満たしていたモデルとは言えず、3列目シートは非常用の補助席的なものでした。カタログでも3列目に座っているのは大人ではなく子どもでした。しかし2代目で3列目のスペースを拡大したことでヒットモデルとなったのです。 ● 車内の広さを生かし、車中泊をする人にも人気 モビリオから続くもう一つの特徴として、ホイールベースの長さが挙げられます。ロングホイールベース化により室内長を長くして余裕を持ってシートを配置する。この恩恵を別の形で活用したのがモビリオの2列シート版であるモビリオスパイクです。 コンパクトながら広い室内空間を生かし、遊びに使える機能を盛り込んだモビリオスパイク。2列目シートを格納すると、長さが1855mmもある荷室が出現しました。この広さを生かして車中泊を楽しむ人が大勢いました。ホンダも純正アクセサリーで車中泊キットを販売していました。 モビリオがフリードに名称変更した後も、2列シートモデルはフリードスパイク、フリード+、そして現行型にも2列シートモデルが用意されています。 フルモデルチェンジでデザイン性を高め、さまざまな新機能を盛り込みながらも、モビリオの基本コンセプトをブレずに継承する。最初のコンセプトがしっかりしていたからこそ、これだけ長い期間、多くの人から選ばれているのだと思います。 (AD高橋)
フェルディナント・ヤマグチ